来院前の諸注意

より確実な診断を下すために問診はとても重要です。問診に必要な情報をあらかじめご用意いただくと、診察がスムーズになり動物にかかるストレスを減らすことができます。また、自宅で採取できる検査材料は、当日お持ちいただいたほうが時間の節約になりますし、診察台の上で採材されるストレスを省くことができます。
また、動物の輸送方法が適切でないと、病状が悪化する場合がありますので、適切な方法で輸送してください。

検便に際して

下痢などの消化器症状の際には検便は不可欠です。より新鮮な便のほうが正確な診断ができますので、来院予定を排便のタイミングに合わせていただき、排泄直後の便をお持ちください。便はビニール袋、タッパなどの容器にいれてお持ちいただき、ティッシュなど水分を吸ってしまうものにはくるまないでください。

採尿に際して

検尿の材料をお持ちいただく際には、ペットシーツに浸みこんだ尿だと、色の観察くらいしかできません。また、常温で数時間経過してしまった尿や、床や地面から回収した尿では、細菌等の検査ができません。
排尿時に、綺麗な皿で尿を受け、別容器に入れ替えてお持ちくださるか、割り箸にはさんだ綺麗なコットンに尿をうけて、そのまま綺麗なビニール袋に入れてお持ちください。
上手に採集できた尿でも、採材後はすみやかにお持ちください。事情によりすぐに持ってこられない場合でも冷蔵で半日が限度です。

吐物・浸出物・寄生虫など

体から出てきたと思われるヘンなものは、捨てずに全てお持ちください。実物を見ないと判断しづらい場合があります。

発作・異常行動など

診察台の上では発作や異常行動が再現されないことが多く、あらかじめ動画を撮影してお持ちになると、より正確な診断が可能となります。このとき、平行して以下の観察をしてください。
①前兆があって、そのあと発作が出ましたか?
②発作のあと、スッキリもとにもどりましたか? あるいは しばらく余韻がありましたか?
③意識はありましたか?
④舌の色が正常でしたか?(ふだんの色をあらかじめ覚えておいてください)
⑤可能なら普段から心臓の拍動を触れるように練習しておき、発作時に拍動がどうなっているか観察してください。
⑥発作や異常行動の引き金となるような刺激があったか思い出してみてください。

異物の誤飲

オモチャなどの異物を齧って飲んでしまった場合、嘔吐させて取り出すことができるのは異物が胃にあるうちですから、なるべく早目にご来院ください。
実際に飲み込むところを確認できなかった場合には、本当に飲んだのかどうか、あたりをよく探してください。
齧り残しや、飲んだと思われる物の実物をお持ちいただきますと、レントゲン検査の際にどんなものを探せばよいのかの指標になります。
中毒の可能性のあるものに関しては、製品パッケージをお持ちください。成分を確認します。
(飲み込んだら困るようなものを咥えているのをみかけたら)

輸送の諸注意

心臓や肺に問題があり呼吸に異常が見られる子の場合、なるべく平らな姿勢を保てるように輸送してください。
抱っこは、胸を部分的に圧迫しますので、呼吸を妨げる危険性があります。適当な板状の担架が手元にない場合、天袋の戸などを外し、担架がわりにして運ぶのも良い方法です。ただし転げ落ちないように気をつけて運びましょう。肺水腫などで、口や鼻から泡や液体が漏れているような状態では、頭がやや低くなるようにタンカを傾けながら運ぶようにします。人間の赤ちゃんを抱くように頭を上にして抱っこすると液体が排泄されずに呼吸器にたまってしまい、呼吸困難が悪化します。
キャリーケージはゆとりのあるサイズを用意しましょう。その時の気候にもよりますが、狭すぎるケージでは内部が高温になってしまい、輸送中に熱中症になることがあります。場合によっては保冷剤を敷いてから動物を入れましょう。輸送する車の車内にもじゅうぶんに冷房を効かせて運びましょう。