2020.02.21

●全身に一万円札を張り付けた猫希望●

新年のご挨拶をしてから、早くも一か月以上が経過してしまい、2月も終盤になってしまいました。マダム・ジャカランダから、更新せい!と数回お叱りをうけましたので、ようやくの更新です。ご無沙汰しております。

 節分もバレンタインも終わってしまい、2月の話題ってなんだろうと悩んでおりましたら、なんと明日はネコの日。しかも2020年の2月22日。

 というわけで!今日は猫のお話をしたいと思います。

 先日、粘着タイプのネズミ捕りに絡まった猫が届けられました。

 ネズミ捕りが貼りついたまま、まわりにある様々な物体を引き寄せ(はりつけ)ながら、にっちもさっちもいかない状態になっているところを、当院の飼い主さんが保護して連れて来てくださいました。

 粘着タイプのネズミ捕りにかかった動物を保護したら、とるものもとりあえず「片栗粉」です。

 当院は、野鳥の救護をしているので、粘着剤にからまった動物の処理をする機会が多く、片栗粉は常備しております。さっそくベトベトの被毛に片栗粉をまぶして、粘着性を相殺していきます。

 ベトベトになった動物が暴れまわると、無事だった部分の被毛にも次々と粘着剤がこびりつき、被害が拡大してしまうので、目につくベトベトは初動の段階で素早く粉で覆います。もちろん被毛だけではありません。床だって壁だって手だって服だって、猫が触れる部分は全部ベトベトに汚染されます。えらいこっちゃです。

 この作業をするあたり、怒り狂って触らせない猫だと無麻酔では手も足も出ません。

 幸い、この猫ちゃんは大丈夫そうです。マドモアゼル・フランソワーズ好みの猫種だったので、こりゃアカンかなと思ったら意外にも友好的。

 が! 逆に人懐こすぎて、作業がやりにくいパターンでした。

 粉をまぶす作業の間じゅう、粉だらけのしっぽを激しく振りながら私たちににじり寄ってジャレつきます。私たちの顔を舐めては粉だらけの作業台の上をゴロンゴロンところげまわります。はしゃいじゃってる感じですね。

 看護師ぃ~ずと3人で作業していたのですが、3人にまんべんなく懐いてくる猫ちゃんのおかげで、全員粉だらけにまってしまいました。

 コントに出てくる博士と助手の実験失敗のような画です。

 警察に問い合わせても、届けは出ていなかったので、知り合いを通じてネットに写真を拡散してもらいました。

 長期戦を覚悟して、手の空いた時間にすこしずつ除染作業をしました。粉をまぶしては毛をほぐし、リモネンたっぷりのオレンジエックスとベビーオイルで揉みだしてはクシをいれ、また粉をまぶすのくりかえし。

 その間、猫ちゃんは「ヒャッハー!」ってな感じではしゃぎまくりの懐きまくりなので、作業がやりにくい事この上ない。落ち着け!はしゃぐな!懐くな!これ以上懐くとお家に返さないでうちの子にするぞ!と説教しながら作業しますが、猫なのでまったく言う事を聞きません。

 作業中に、私の指に激痛が走ったので、何かと思ってみてみると、謎の金網の破片が腹面の毛に埋もれていました。どこかの建築現場を通過したときに拾ったのでしょうか。針のような断端が刺さると大変痛いシロモノで、おそらくこの猫も腹ばいになる度に腹にチクチクささっていたと思われます。

 そのほか、枝やら枯草やらもいっぱい貼りついています。一万円札でもいっぱい貼り付けてくればいいのに、ゴミばかりです。

 ベトベトと毛玉と異物を根気よく丁寧にとりのぞき、そろそろ写真でも撮ってポスターつくるかな・・と思っていたタイミングで救いの神が現れました。

 10日前、猫が運び込まれる瞬間を通りすがりで偶然目撃していた方が、その後、持ち主の手で貼られたポスターを発見し、わざわざ当院まで教えに来てくださったのです。 ありがとうございました!

 その方に教えていただいたポスターを見に行くと、間違いなくうちにいる子だったので、飼い主さんと連絡をとり、無事、帰宅となりました。

 今回は、過去最大規模のベトベト事件で、小鳥の救助と比べたら片栗粉の消費量がケタ違いでした。前からあったものでは到底足りないので、追加で業務用スーパーの激安1kgパックを2袋買いました。作業半ばで帰宅となりましたが1.2袋消費しました。

 迎えに来た飼い主さんには、0.8袋ぶんの残りの片栗粉とオレンジエックスとベビーオイルをお土産に差し上げました。 今日も毛玉と格闘なさっていることでしょう。ハサミを使わないようにとアドバイスをしなかったのが悔やまれます。まぁ いざって時には縫ってあげますけどね。

 猫がいなくなってしまい、可愛がっていた看護師ぃ~ずはちょっと涙目ですが、粉だらけベトベトだらけの作業から解放されてほっとしました。 
  
   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。