2018.11.29

●はなもげら●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 免許の更新のため、府中の試験場にいってきました。

 思い出しただけでも涙が出る 悲しいエピソードの交通違反履歴があったため、講習会は2時間。

 いまの私にとって休診日にトータル3時間もの時間の浪費は非常につらいものがあるのですが、気持ちを静めるために、帰り道は武蔵野公園の林をつっきって車の停めてあるところまでもどりました。 いい感じの秋の雑木林です。

 なんか生き物いないかなと・・・いつもの癖であたりを観察していると、100mほど先に、モグラの塚のようなものを発見!

 ただし、明らかにデカイ! 普通のモグラ塚の倍はありそう。いつもより余計に盛ってます。

 さては新手の外来モグラの出現か??と 喜び勇んで駆け寄る私。不思議なことに、こういうときだけは元気がでますね。

 よぉ~く観察するまでもなく 一目で正体が判明。

 塚の正体は、オオカブトムシの糞の山でした。

 外国産の巨大なカブトムシを、世間ではざっくりとオオカブトムシと呼んでますが、南米のヘラクレスオオカブトやゾウカブト、アジアのアトラスオオカブトやコーカサスオオカブトなど、いろんな種類がいます。

 南米では、ゾウカブトが飛んできて街灯にぶつかると、街灯が割れちゃうから金網で保護するんだ。という都市伝説があるくらい大きな虫たちです。バイクにのってるときに顔にぶつかったら怖いですね。

 植物検疫法が緩和されて、外国産のカブトムシの飼育が可能になってから早20年。いまではペットとしてあたりまえのように、オオカブトムシの仲間が飼育されています。

 ただし、こいつらを飼育するのって、ちょっとした土木作業の様相を呈します。すごい肉体労働です。

 ママ・カブトは一度に50-100個くらい卵を産み、孵った幼虫が、3年くらいかけて、1匹あたり十数リットルから数十リットルの餌(見た目はそのまんま土のような、特殊な腐植用土)を食べて、同量の糞を出します。

 幼虫は最終的には手のひらいっぱいの巨大なイモムシになりますが、こんなものをカナちゃんの手に乗せたらきっと気絶するか一生嫌われるだろうなってくらい、インパクトのある巨大な生き物です。狂暴な種類だと咬まれて結構な怪我になって血が出るし。

 この巨大イモムシを大量に育てる過程で、大量の糞が廃棄物として発生します。飼い主は、定期的に何十リットルもの新しい土といれかえ、いらなくなった糞を処分しなければなりません。 ほんとに農作業とか土木作業と変わりない作業です。

 ガーデニングをやっていらっしゃる方はご存じだと思いますけど、不要になった土って、市のごみ処理の対象ではありません。別途、有料の処理サービスを利用しないといけません。私も、病院前の花壇を維持するのに、毎回、大量の残土を処理せねばならず、けっこう苦労しています。

 オオカブトを飼育している人も、糞はそのまんま土と同じ様な物体なので、ゴミにだせずに頭を悩ませます。

 そして行われるのが、雑木林の木の根元への投棄。

 文字通り、土に返すってことなのでしょう。

 テレビや冷蔵庫の不法投棄とかわらない行為ですが、綺麗に土にかえるんだし、肥料になるんだから文句ないだろうという発想で、けっこう普通に行われています。

 うるさいことを言ってしまえば、都立公園へのごみの不法投棄はふつうに犯罪です。

 環境問題 という視点で考えると、外国のカブトムシの腸内細菌が日本の土壌に混入するミクロの汚染問題が発生するとか、カブトムシにたかっている外国産のダニが日本の在来のカブトムシやクワガタに寄生して被害が出てしまうといった問題もあるそうです。

 外国の巨大昆虫にたかるダニは、それにあわせてゴツいダニであるらしく、日本産の小さい虫にたかると、足がとれちゃうくらいのダメージがあるとかないとか。

 また、廃棄した土の中にまじって取りこぼしの幼虫がいた場合、それがそのまま日本に帰化して外来種の問題を引き起こす という説もあります。熱帯のオオカブトが日本の気候に順応することは考えられませんが、温帯のクワガタなどでは起こりうる問題だそうです。

 個人的には、いのかしら公園でヘラクレスオオカブトが採れたり、軽井沢でヨーロッパミヤマクワガタが採れたら楽しいなと思いますが、カタイことをいえば、外国産昆虫の飼育用土を屋外に捨てるのは ダメ!って話になります。

 これから巨大カブトムシを飼育しようかと思っている方は、残土の処理方法も飼育計画に入れた上で、手のひらサイズのイモムシちゃんたちと向き合ってみてください。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。