2018.10.29

●金魚の煮付 グリーンF味●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 肌寒い朝が多くなってきましたね。

 病院前の花壇もそろそろ冬~春の花に模様替えです。

 春~秋の花壇は、暑さや西日に強いサフィニアやミリオンベルを植えていましたが、このあとは、ビオラやパンジーに入れ替わります。

 本来ならば8月おわりの切り戻しからの一斉繁茂で、いまごろはミリオンベルが満開となっている予定だったのですが、蛾の幼虫が発生して、花芽を全部食べられてしまいました。咲くことなく繁茂するミリオンベルは観葉植物となり果てています。

 準備中のビオラは、自宅の予備の鉢で養生中で、すべて切り戻しをして短く刈ってあるので、昨年同様、野菜畑のような花壇が展開される予定です。

 養生といえば、秋のお祭りで救助してきたデメキン達が、金魚ヘルペスウイルスの猛威にさらされています。

 従来は、0.5%の塩水浴と絶食で体を休ませ、市販の観賞魚用の薬浴剤で、カビや細菌感染を防ぐという方法で養生してきたのですが、今回は、またさらに別の一手を要求されています。

 そもそもウイルスというのは、有効な治療薬がないのが普通です。細菌に対する抗生物質とか、カビに対する抗真菌薬のようなものが、ウイルスについては殆どないのです。

 ヘルペスウイルスには、ゾビラックスのような抗ウイルス薬が奇跡的に存在するので、金魚にもいけるかなと思ったのですが、使用実績が全くみつからなかったので、埼玉県の水産試験場が編み出した治療法に頼ることにしました。

 風邪をひいて発熱したとき、熱さましを飲むと、かえって悪化する。発熱はウイルスをやっつけるための防御反応だからだ・・・といった話を聞いたことがあるかと思います。

 金魚ヘルペスの治療も、どうやらその原理らしく、水温を34度にして4日間飼育するとウイルスをおさえることができるらしいです。

 34度は高温すぎて、金魚が死んじゃうことも多いけど、運よく生き残った金魚はウイルスに対して抵抗性を獲得するからそれを飼いなさいっていう、なんだか乱暴なアドバイスがついてました。

 しかも徐々に温度をあげると途中で全滅してしまうので、短時間に一気に34度まで温度をあげるのだそうです。なんか すごく怖い方法です。

 34度まで温度をあげるとなると、ちゃんとしたサーモスタットとヒーターが必要です。

 Jマート三鷹店無き後、入れ替わりで入ったホームセンターは、動物薬の取り扱い認可をとるのがめんどいからという理由で金魚の治療薬すら置いてないというていたらくなので、そもそも頼りにしておりません。

 火事にならない安全な保温器具をもとめて、遠く狛江のユニディにいってまいりました。

 熱帯魚ブームが斜陽になってこのかた、観賞魚用品の品質の悪化は目に余るものがあり、かつてのメーカーのほとんどが大陸の某国に身売りしたような状態になっています。

 ガラスがペラペラの水槽に、発火する保温器具。おそろしくて手が出ません。

 その中で唯一がんばっているのが、ニッソーという、かつて最も信頼できたメーカーから独立して、東京の下町の町工場でオリジナルブランドを立ち上げた、エヴァリスとう会社。

 下町ロケットの観賞魚版ですね。

 エヴァリスなんて聞いたことないブランドだったので、最初は、またぞろどこぞの国のパクリブランドかと思って調べたのですが、驚きの新生国内メーカーでした。

 自宅のデメキン介護施設(たらい)は、現在、ビシっと34度を保ち、明日の治療終了を迎えつつあります。

 ありがとう! エヴァリスの社長。会ったことないけど。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。