2018.05.18

●花の命は短くて●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 気が付くと、5月も後半戦に。

 そして西城秀樹さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 昭和のスターが次々と鬼籍に入られるニュースに接すると、なんだか寂しいやら、恐ろしいやら。自分が元気でいられる残り時間を考えてしまいます。

 まわりを見渡せば、軒並み平成生まれ。

 昭和も終わったな・・・・と思っていたら、もうすぐ平成ですら無くなってしまうし。

 写真は、病院前ガーデンのビオラに卵をうみつけようとしているツマグロヒョウモンという蝶です。

 幼虫はスミレを食べて育ちますので、ビオラにもたかってしまい、気が付くと丸坊主にされていたりします。

 メスの前翅の先っちょが黒いからツマグロ。ヒョウモンというのはヒョウ柄という意味で、この仲間の蝶はおしなべてオレンジに黒い斑点があります。

 昨今、自然界に見慣れない事象が起こると、なんでもかんでも地球温暖化が原因という風潮がありますが、このツマグロヒョウモンも、地球温暖化によって分布が北上しているといわれています。

 実際、私が大学生のころまでは、この蝶は、関西以西から九州沖縄方面の、温暖な地域にしか見られませんでした。

 ある時期から、東京でもごくあたりまえにみられるようになり、派手な目立つ蝶という意味では最も個体数の多い蝶にすらなっています。

 漫画家のやくみつる先生は、この蝶の分布拡大を歓迎しておられ、東京にいながらにしてこの素敵な蝶が見られるようになってうれしい。とテレビでおっしゃってました。

 私も、いのかしら公園からヤマネコが脱走して、多摩川上水べりの雑木林に定着して殖えまくってくれたらいいなと思っています。

 この蝶の分布拡大が、温暖化のせいなのか否かについては懐疑的な考えもあり、園芸ブームで、ビオラの流通が増えたせいだという説もあります。

 病院前のビオラもそろそろ弱ってきて、処分する時期が近付いています。

 なので、ツマグロヒョウモンのお母さんが、いま卵を産んでも子供の成長に間に合わないんです。気の毒ですが、余所で卵を産めるように、散水して追い払いました。

 残り時間に敏感な昭和世代からのささやかな配慮です。

 ちなみに、この蝶の幼虫は、けっこう大きくて、まるで毒毛虫のようなトゲトゲに覆われ(毛ではなく皮膚の突起ですが、いかにも刺されそうな立派なトゲトゲにみえます)、虫好きにはたまらないビビッドな深紅と漆黒の体色をしています。

 駐車場でカナちゃんたちを車に乗せるとき、足元を這っていることがよくあるのですが、絶対に教えないようにしています。 見せたら気絶すると思うので。
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。