2018.02.01

●ほぼ惰性で・・●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 月がかわってしまい、記事を書くモチベーションの維持が困難な中、ウルセランス菌感染のおはなしのつづきです。

 厚生労働省のHPでは、獣医さんむけに、検査と治療について書かれています。

 いわく「猫がクシャミ・鼻水・鼻づまりになっていたら、菌の培養検査をして、コリネバクテリウム属の菌かどうか確かめましょう。もしもコリネバクテリウムだったら指定の検査センターに出して、ウルセランス菌かどうかDNA鑑定をして、アタリだったら抗生剤で除菌を試みましょう。そのあと、ちゃんと除菌できたかどうか、再検査しましょう」ってな感じのことが、書いてあります。

 これだけ見ると、なんか、言う通りにしないと怖い気分になってきますよね。

 けれども、猫のクシャミ・鼻水・鼻づまりなんて、べらぼうに件数が多いんだから、こんな「お勧め」が広まったら、不必要な社会不安が煽られてしまうんじゃねーの?

 って・・・。私は一瞬心配したわけですよ。

 ただ、大雪・噴火・大砂嵐による事故 といった天変地異の方が重大案件だったおかげで、ウルセランス菌の話題に火がつくことはなく、安堵しております。同時に記事を書くモチベーションも消えちゃいましたけどね。

 結論から言って、菌の培養ってお金もかかりますし、培養結果にエラーも多いので、今現在大して流行ってなさそうな病原菌をつきとめるべく飼い主さんに出費を強いる意義はないと 私は判断しています。

 このあとウルセランス菌感染症の人が続々と見つかって、飼育動物からの感染リスクとしっかり向き合わないとイカンという情勢になったら、そのとき考えましょう。

 下手に除菌だ!なんつって抗生物質を乱用して、あらゆる常在菌(そこらにいる無害な菌)を抗生物質が効かない恐ろしい耐性菌にしてしまうのは、反社会的な行為とすら言えます。

 胃癌リスクを高めるピロリ菌についても、一度除菌をしたら、再感染はない。って言われていたのに、最近では、耐性菌の発生や、再感染はやっぱりあるじゃん的な報告がされています。

 相手は微生物ですからね。再感染はねぇ!なんてことは断定できませんよね。

 ましてやネコですよ。しかも集団飼育の猫だったりした日にゃ、除菌なんて無理!!絶対。

 猫をクリーンにしようと奮闘するよりか、ご自身の日常の健康管理と体力維持に心がけるほうがよっぽどいいです。

 もろもろ無理しない。栄養バランスと消化のいい食事を少なめに摂る。大酒のまない。夜おそくまでフィギュアを創ったりアニメばっかみてないで早く寝る。そして質のよい睡眠をとる。体を冷やさない。運動をする。猛獣を診察するのに無理して無麻酔でやろうとしない。危険なお薬をたしなまない。 
 
 ご自身が健康でいることが動物由来感染症を防ぐ最良の対策であると思ってご自愛ください。

 思ったより盛り上がらなかったけど、ウルセランス菌のお話はこれで終了!

 写真は、皆既月食のいちばんいい感じのときの様子。

 実は、私も娘と月見をしたんですけどね。9時半ごろに、「お~!欠けとる 欠けとる!! 月食観測、終了ぉおおおおお~!!」とか言って、二人でこぶしを振り上げながら、早々にひきあげちゃったんですね。

 でも・・。 みるべきは まるっと月食になった赤い月だったとは・・・。

 ちょこっと欠けた状態の月。 ぜんぜん赤くなかったです。綺麗でも感動的でもなかったし。

 なので写真はマダム・ジャカランダからの提供です。

 次回は7月ですって。今度は寒さじゃなくて蚊との闘いに耐えなくては。

 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。