2018.01.19

●アリにたべられるのは嫌だ●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 ウルセランス菌感染のおはなしのつづきでございます。

 前回、厚生労働省のHPから正しい情報を得てくださいとお伝えした舌の根も乾かないうちに、今日から、厚生労働省のHPに突っ込みをいれていきたいと思います。

 まずは、病原性の強さに関する疑問のつづきから。

 前回は、そんなに患者の数が多くないし、亡くなった方も多くないよね?って話でしたが、今回は、じゃぁなんで、その人たちは患かっちゃったんだろうって話です。

 猫からウルセランス菌をもらった方々の一覧表が厚生労働省のHPで紹介されていますが、この表には、この方たちの免疫機能が正常だったのか、何等かの疾患や消耗(過労とか)によって免疫機能が落ちていたのかどうか、読み取ることができません。

 以前、環境省の旦那方に呼ばれて、アメリカドクトカゲとメキシコドクトカゲにマイクロチップを挿入するための講習会の講師をしたことがあります。話が横道で遭難しそうなくらい飛んじゃって申し訳ないですけど。

 これらのドクトカゲがなんで特定危険動物に指定されたかというと、人の死亡例があるからなのですが、じゃぁそんなに毒が強くて恐ろしい生き物なのかっていうと、どうやらそうでもないらしいということは、愛好家の間では常識的な話なんです。

 ドクトカゲにやられて亡くなったのは、お酒に飲まれていたり、ある種のお薬をたしなんでおられ、「お家はないけど、幸いお外もあたたかい地域だから路上で寝ちゃっおう!」っていう方々だったとのこと。

 ワイルドな彼らの寝所に、運悪くドクトカゲが通りかかって、何等かの理由で咬まれてしまったのだそうです。

 健康状態がボロボロの方が咬まれちゃったせいで、ちょっとした追い打ちがかかって亡くなったというのが真相です。

 きっと寝ている間にコヨーテに食べられたり、ガラガラヘビに咬まれたりする人もいらっしゃる地域なんだと思います。似たような地域社会を舞台にした、黒い絨毯っていう映画では、お酒で酩酊している間にグンタイアリに食べられてしまう見張り番のおじさんが出てました。私が映画でみた一番古い死亡フラグの記憶です。

 話は、猫からうつるウルセランス菌にもどります。

 つまり何が言いたいかというと、

 病原性の強い微生物が頑強な肉体を打ち破って発症するのと、弱り切った人がちょっとした感染症にも抵抗できずに症状をこじらせるのとでは、大きな違いがあるってことです。

 長くなっちゃったので またもや つづく。

 次回は、HPの中で厚生労働省がおすすめしている、検査と治療について、本当に必要なのか? すべきなのか?という考察をしていきたいと思います。

 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。