2016.01.26

●お仕事の心●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 今日、病院のネット環境の変更について、NTTの人とやりとりをしたんですが、この方。素晴らしくお仕事のできる方で感動しました。

 なにしろ、ネットとかパソコンとか携帯とかに全くうとい私なので、そもそもの会話が成り立たちにくいんですけどね。 よくぞこんな意識不明な奴を相手に話をまとめられたもんだと。 いかにも 仕事できる!って感じの人でした。

 キレ気味に迷走するおじいちゃんに、手とり足とり寄り添って、いったい何が問題で、何をすればいいのか、辛抱強く解決の糸口をみつけていく郵便局員さんのような仕事ぶりといったらわかりやすいでしょうか。

 これは、私のパソコン環境をかれこれ20年ちかくサポートしてくださっている、有)CPUの服部さんにも言えることで、知識の引き出しが豊富なだけじゃなくて、わからんチンな顧客の理解レベルまでちゃんと降りて来てくれる柔軟性が素晴らしいです。

 あとは、困ってる相手をなんとかして助けてやろうって、気持ちですかね。仕事をする上での心のありようとでもいいますか。そういうのって、こっちが無力であればあるほど、ありがた~く実感できますよね。

 私も初心を忘れずに、患者さんと向き合おうって思いをあらたにました。 

 写真は、ワンコの耳の穴の中に生えてた毛。

 すごい量でしょ。耳の穴の中の奥深くからどんどん生えて来て、穴からあふれ出して もう ふっさふさ。 耳の穴がどこだか全くわかりません。

 これだけの耳毛をおとなしく抜かせてくれて、大変 忍耐強いワンコでございました。ありがとう!

 ほんとは ロビンソンさんが仕留めたイノシシの写真をのせたかったんですけど、ある意味ショッキング映像なんで自粛。旨そうな琉球イノシシでした。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.01.24

●かいぼら~ず●

井の頭池のかいぼりの様子のつづきです。

 環境イベントとしては、結構大規模な感じで、環境省のブースと東京都環境局のブースが出ていました。
 先日の外来種の会議のときの担当官が偶然にも環境省のブースに参加されており、さらに偶然にも、野鳥の救護の仕事で以前おつきあいのあった都職員の方が東京都環境局のブースにて陣頭指揮をとっていらっしゃったので御挨拶にいきました。

 土曜にも働く公務員の姿というのはイノカシラフラスコモの自生くらい珍しい姿なんじゃないかと思いましたが、環境関連の役所では、国立公園などの現場配置になると土日の仕事がとても多いそうです。

 なお、イノカシラフラスコモというのは、今から60年ほど前に井の頭池周辺で発見された水草の一種です。井の頭フラスコ藻 という意味なんでしょうかね。フラスコってあの実験で使うフラスコ? よくわかりませんが、発見から今日まで、日本の水辺の環境は悪化の一途をたどりましたので、いまでは全国で一か所、千葉県のどこぞの池だけに自生が確認されているのだそうです。

 かいぼり作戦では、かつて自生がみられたけれども絶滅してしまった水草の種を水底から回収して、特殊な技術で発芽させ、人の管理下でしばしの間、栽培し、再び池にもどしてかつての生態系を回復する という作業も行われているのだそうです。

 子供のころに読んだ、大賀一郎博士の古代蓮の研究の話を思い出しました。古代にこぼれおちた植物の種が、タイムカプセルのように現代で息をふきかえし、青々と茂る様は感動ものです。

 そんなわけで、繊細な植物をワシワシ食べてしまう、外来の破壊的な生き物を根絶せねばならず、とにかく大正時代の池にはいなかったであろうと考えられる生き物は全て捕獲されていくようです。外来というと外国の生き物というイメージが強いですが、特殊な閉鎖的な生態系にとっては、本来そこにいなかった生き物はすべて外来生物として扱うべきで、井の頭池でいえば、ゲンゴロウブナやクサガメですら移入種と見なし、排除の対象となります。

 寒い中、皆さん大変な作業だと思いますが、ドブのにおいのしなくなった夏のいのかしら池で、夕涼みしながらビールを飲める日が来るかもしれないのは嬉しい限りです。がんばれ!かいぼり隊。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.01.23

●なんて日だっ!●

もうどこが痛いんだか。上の歯なのか下の歯なのか、顔面まで痛くなってきて、絶え間ない痛みと昨日の会議のトラウマで眠れぬ夜をすごし、朝、モンチッチがいっぱい飾ってあるいつもの歯医者さんに行きました。

 歯医者さんの駐車場から歯医者さんに向かう道すがら、カーブミラーから突き出た謎のボルトが腕をかすった瞬間、ボツっという鈍い音とともにダウンジャケットが引き裂けました。

 ちょうどハヤブサがハトを襲ったときのように、羽毛が舞い散り、突き出たボルトに大量の羽毛(ダウン)が球状にまとわりつき、タンポポのようでした。出来ごとの悲惨さに反して、眼の前の景色が可愛いので拍子抜けです。

 ブチ切れる元気もなく。悪いことや辛いことってのは重なるもんだなぁと、トボトボと歯医者さんに入り、院内を羽毛で散らかさないようにジャケットを裏返しにして抱え込みました。

 診察の結果、歯髄炎だろうということで、抜髄をやってもらいました。いわゆる神経を抜くってやつです。痛いだろうけど、ここ数日の痛さが消えるんだったら矢でも鉄砲でももって来いってことで腹は決まっております。

 ところが・・。通常は注入時にズンっとくる局所麻酔も至ってスムース&ソフト。古い金属冠を粉砕除去するのも、歯髄にドリルを入れるのも、歯髄の組織を掻きだすのも全くの無痛。そもそも、口の中で歯医者さんの指が暴れまわり、唇や口角が右へ左へ上へ下へと引きずりまわされ、そのたんびに唇がギっギって突っ張るあの不快感がゼロ。口の中で小人(イメージとしては女の子のかわいいやつ)がバレエをおどりながら処置をしてくれた感じ。

 処置の結果、歯髄が半分壊死していたという恐ろしい話を聞かされました。歯髄に限らず、自分の体の一部が、「半分壊死してた」って、なんかいや~な感じですよね。みなさんも御自身のいろんなパーツをあてはめてみて、自分の●●が半分壊死してる様子を想像してみてください。なんか いやでしょ?
 ちなみに この半分ってところがミソで、いい塩梅に痛みMAXになるのだそうです。いっそ全部壊死してくれれば痛みも感じなかったのでしょう。耐えきれずにお叱り覚悟で飲んだ大量の抗生物質が、歯髄の生殺しに関与したのかもしれません。でも抗生剤はちょっとは痛みの緩和に役立ったようにも思いますけど。いずれにせよ勝手な事はするもんじゃありませんね。

 子供のころから何度か抜髄の処置を受けたことはありますが、今回ほどダメージが無かった事はありません。
痛みゼロ 恐怖感ゼロ 威圧感ゼロ。

 この先生、ブラックジャックだ。歯医者さんだからホワイト・ジャックか?でも女医さんだからジャックは変か。ホワイト・ミューズ?もう原型とどめてないから何をいいたんだか全く伝わりませんね。

 なにしろ 救われました・・・。

 今日は眠れるかも。  先生ありがとう。
2016.01.23

●かいぼり●

歯の痛みから解放され、眠れそーだと思いきや、ちょっと前に亡くなった猫ちゃんの死因とウイルスの関与について想いを巡らせていたらまたもや眠れず(涙)

 写真は、七井橋から観た いのかしら池です。

 ここ、井の頭公園の池では、2回目のかいぼりが行われています。

 ふだん目にすることのない池の底が観察できます。

 3月ころまで池の底は天日に干され、富栄養化した泥を除去し、池底を空気にさらして微生物による分解を促進するそうです。これをくりかえしていくと、水質が浄化されるとか。めざすは大正時代のいのかしら池だそうで。

 このかいぼりという作業は、農業用の溜池のメンテナンスとして、昔からおこなわれていたのだそうです。

 私はつい最近まで、環境事業のために考案された特別な作業なのだと思っていました。

 人間の心とか魂みたいなものにも、かいぼりの様なわかりやすいメンテナンス手法があるといいですね。底にたまったストレスやら悩みやら後悔なんやらを取り除いて、カラっと日干ししてリセットできたらいいですねぇ。

 明日は、なんだか降ってわいたようにヘビーな手術が入ります。今晩じゅうに 気力体力をリセットしないと。 大丈夫。いつものこって。 余裕です。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.01.22

●青い空に白いウミネコ●

気持ちがへこんだまま、今日は環境省の会議に行ってきました。特定外来生物の指定に関する会議です。

 結果として沢山の人に理不尽な難題がふりかかりますし、場合によっては少なくはない動物の命が失われることになるかもしれませんので、ここ数日続いている猛烈な歯の痛みと相まって、もうグッタリです。

 帰路、錦糸町の駅前の歩道橋で、空を見上げましたら、真っ青な冬空に一羽のウミネコが飛んでいました。

 奇麗だなぁ~としばらく見とれていたら、少しだけ癒されました。国家試験の最終日に早稲田で見上げた空にメジロがさえずりながら飛んでいたのを思い出しました。あのときは、「そういえば 久々に空みたなぁ~」と我に返ったのを覚えています。

 でもあのウミネコ・・・上野界隈のビルの屋上で大繁殖してる個体群のうちの一羽かもしれません。近隣にお住まいの方からは、耐えがたい害鳥として嫌われています。
 この子もいつか駆除される運命になるのかなぁ・・・
なんてことをつい。

 完全に思考がネガティヴになっている。

 マドモアゼル・フランソワーズの出番かな。

 さて 午後もがんばってお仕事です。お国に御奉仕もいいけれど、本業をがんばらないといけません。
2016.01.21

●バルス・・・・●

いつも お立ち寄りありがとうございます。

 本日は、とっても便利な家電製品をご紹介したいと思います。

 冷蔵庫から取り出した生卵をうっかり床に落としてしまうなんてこと よくありますよね?

 あらあら 生卵はこっぱ微塵。台所の床がぐっちゃぐちゃです。これは片づけるのが大変だぁ。

 そんなとき重宝するのが、今日ご紹介する犬型掃除機A-1214型。
 あらかじめ登録したコマンド・ヴォイスで呼び寄せて、卵を指さすとごらんのとおり。

 あっという間に卵が消えて、床はヌルヌルに。

 ぜひ 皆さまのお宅にも一台! 今ならウズラ型扇風機もついてこのお値段。 いますぐお電話を。 

     以上。三鷹・吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.01.21

●安心してください ちゃんとはいてますよ!●

いつも お立ち寄りありがとうございます。

 暖冬かと思いきや、いきなりの大雪だったり メリーさんにあやまったり。ほんとに慌ただしい数日でしたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 うちは大雪の朝、バスを1時間半待ったせいで、看護師がひとり低体温症にやられました。全身かちこんこちん状態で、病院についてもしばらく解氷に時間がかかってました。

 写真は、異物再び!の図です。

 以前、このブログでご紹介した、脳に問題があって、発作を起こすと、勢いで異物を食べてしまうワンちゃんです。

 昨日、別件でお連れになられたのですが、待合室で順番を待つうち、ワンちゃんのお洋服の一部が食われていることを発見! お父さんが待合室で オーマイガァッッッ~ってなっておられ、あわてて異物対策に路線変更。異物がまだ胃にあることを祈りつつ、嘔吐を促す処置をします。

 せっかく吐けても、吐いた瞬間に即行で吐物を食べる反芻獣のような子もいるので、吐いたらすぐに回収すべく、看護師が顔にへばりついて待機です。取り上げる瞬間にゲ●を守ろうとして咬むワンちゃんもいますので、一瞬の駆け引きとなります。

 さすが、うちの看護師。寒さには弱いが仕事はきっちりする女。無事に回収してくれました。ありがとう。グッジョブ。

 回収したものをあらためて見てみると、もしも腸に移動した後だったら、またもや手術となりうる アカン感じのヒモ状異物となっておりました。芯はゴムだし。なんだか薬のパッケージのようなものや、プラスチック片も回収できました。この人、知らないところで いろいろ食べてます。もしも一万円札とかダイヤの指輪とかが出てきたら、私の良心が試される瞬間となりますね。

 下に並べたのが、今回飲み込んだのと同じゴム紐の本来の姿です。まぁ おおむね全部回収できていることを確認できたので 無罪放免となりました。

 さて。本日も歯痛と腰背痛を耐え忍び、笑顔で一日を乗り切りますかね。
 では皆さん。各人の持ち場で奮闘いたしましょう!


     以上。三鷹・吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.01.21

●追悼 反省●

同日に2回ブログを更新することはないのですが、一日の終わりに大変ショックなお電話をいただき、今の気持ちを書くことにしました。

 私は、先日、小鳥を誤診してしまったようです。その小鳥は一週間ほどで亡くなり、死亡時に転院した病院にて私が見落とした症状を指摘されたのだそうです。

 本当に申し訳ないことをしました。残念です。

 症状からは、たしかに鑑別診断リストに入るのは間違いの無いことで、しかも これは珍しくもなんともない病気であり、見落とすほうがおかしいというものです。私もその可能性は意識し、十分に触診したつもりだったのですが、かなり高い確率で、除外して良いと判断していました。

 あのとき、さらにレントゲン撮影や超音波検査などをしておくべきだったと思います。

 ミニマムな検査にこだわるあまり、あるいは触診能力を過信するがあまり、大切な小鳥を死なせてしまいました。

 苦しむ小鳥を看ながら、一週間も同じ苦しみを味わわれた飼い主さんに心からお詫びしたいと思います。また、本当なら声も聞きたくないはずの相手である私に、結末の電話をくださった飼い主さんに感謝いたします。

 亡くなった命はもどりませんが、今回の出来ごとを反省し、今後の教訓とさせていただきたいと思います。
2016.01.17

●人として どーよ●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 タイトルが物騒ですね。
 実はね。最近、悪徳商法に引き込まれそうになったんですよ。もちろん事なきを得ましたけどね。

 なんとなればですよ。私、親しくさせていただいている警察の方 いっぱいいらっしゃいますからね。HPを読んで小ネタを仕入れて、あたかも親しい感じで寄ってくる悪徳商法の皆さんは、心してかかってきたほうがいいですよ。

 ってか・・・ むしろ かかって来ないほうがいいと思いますね。

 そもそもこのホームページを見て、金もってそうな獣医に見えるかな・・・ そこはもう見積もりが甘いとしか言いようがありませんね。
 
 しかしまぁ ちょっと感心したのが、その悪徳商法君のポテンシャルの高さ。人の記憶の曖昧さやら 善意やら 不安のスキをついた巧みな手口。こんくらいの金額だったらっていう価格設定。電話の向こうで語る言葉のうまさ。ハンパない熱意。泣き落としに至るまでの演技力。頭も相当良いのだと思います。

 でもね。思うんですけどね。電話の向こう側だから確認できないけど、仮に五体満足で、健康で、人並み以上の頭脳があって、コミニュケーション能力も高いんだったらですよ・・ なんでその能力を善行に使わないかな。がっかりだよ。まったく。何食べて育つとそーなるんだ。教えてくれ。そしたらその食べ物はうちの娘には食べさせないようにするから。

 なんかもう そのへんの悪意のやり取りに疲れて、ちょっとスレ気味の私にね、西表のロビンソン小屋からメールが届いた訳ですよ。このカヌーを修理しとくから乗りに来いよぉ~って。写真の後ろのほうに写っているのが、藩士の皆さんご存知の、あのロビンソンさんでございます。
 あ・・・・テツってのは私の地域限定的な呼び名でして、西表島とフロリダ限定の略称です。

 ロビンソンさんのところは、カナディアンカヌーでマングローブフィッシングに行くツアーが人気なのですが、私がここのところ全く西表に行けていないので、せめて雰囲気でも楽しませてやろうと、こういった写真を送ってくれるのです。ロビンソンさんの相棒で、ネイチャーフォトグラファーでもある高市師匠は、イリオモテヤマネコなんかも激写して送ってくれます。もう 涙出ますわ。

 ロビンソンさんと高市兄ぃのエールで、ちょっと気持ちを持ち直しました。なんてタイムリーなんだと思いますけどね。心が通じてる人どうしってのは、時としてそういうミラクルなやりとりが成立するもんです。

 ロビンソンさん達には 明日むらさき屋さんの羊羹を買って送ろうと思います。(ロビンソンさんは羊羹が大好きで、羊羹を切らずに1本、丸かじりする人です。このまえ、むらさき屋さん(李朝園の近くの和菓子やさん)の羊羹おくったら とっても気に入ってくれました。むらさき屋さんのおとーさんもまた 素敵な人で、30年以上も研究をしてやっと納得のいく羊羹が完成したと熱く語ってくれます。おじさんの仕事愛はもう尊敬の一言で、ロビンソン小屋にふさわしい羊羹だと思います。

 西表島からは、きっと即行で 羊羹を食べてる動画 が送られてくることでしょう。

 ではみなさん。悪い奴らには十分気をつけて、今日もいちにち 各人の持ち場で奮闘いたしましょう。

     以上。三鷹・吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.01.09

●猫を借りる●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 お正月気分もすっかり抜け(御用納め君と同様、うちには、お正月気分君も不在ですが)、出勤の道々、J-WAVEを聞いていると、「借りてきた猫」というフレーズが話題になっていました。
 ナビゲーターいわく、「借りて来た猫のようだって言うけど、それって実際、どんな状態なんだろう。そもそも猫って貸し借りするもんじゃないからわからない」とのこと。
 
 どんな状態って・・・このことわざを知らんのか?

 そんなに特殊な表現じゃないですよね??

 ことわざの意味どおりにとれば、借りて来た猫のようにおとなしい ってことになります。
 普段はやんちゃな人が、人が変わったようにおとなしくしている状態を指すわけで、普段からおとなしい人の場合には使わない表現です。
 
 逆の使い方で類似の言葉に、豹変ってのもあります。自らの過ちを潔く認めて、間違った前言をサッと撤回するのが君子である という事で、良い方向へガラリと変わるという意味の言葉です。なぜか今では逆の使い方をされてますが・・・・。ガラリと変わる系のたとえが、どっちもネコ科なのが面白いです。

 で。 猫は貸し借りするものなのか?という話。

 そもそも、ネズミ退治のために猫を借りて来たはいいけれど、大人しくてぜんぜんネズミを退治してくれないじゃないか!という出来事があったから、「借りて来た猫」のことわざが生まれたわけですから、猫は貸し借りするものだ!と言っていいでしょう。

 最近ではレンタルペットという商売もあり、文字通り猫やら犬やらを有料で貸してくれる店があります。借りたあと平然と返せる人はいいですけど、すっかり情が移っちゃった人はどうするんだろうって心配になる商売です。

 借りるわけではありませんが、私も猫をお預かりすることが多い職業なので、預かった猫についてはいろんな経験がありますが、院内の猫が必ずしもおとなしいとは限りません。飼い主さんの元ではおとなしかったのに、入院と同時に猛獣と化し、スタッフ一同 流血の惨事になったり、写真のサクラちゃんのように、家でも病院でもゴロにゃんな子もいます。

 じゃぁ「逃げてきた猫」はどうなのか・・・11月30日に自宅を出て以来、飼い主さんの必死の捜索にもかかわらず行方不明だった「風太」が、今日 保護されて無事に飼い主さんのもとにもどったそうです。逃げている間によせられた目撃談では 余裕でくつろいでいた らしく、家に帰ったあともケロっとしており、感動の再会でかけよってくるわけでもなく、かといって野生にもどってしまったわけでもなく。至って平常心だったそうです。風太君を繁殖したおっさんが、三鷹の高田純二と私が呼んでいる、きわめてテキトーなおっさんなので、風太くんも実はものすごくテキト-な性格なのかもしれません。

 なにしろ風太君。無事でなにより。
 心配してくださった皆様に 御礼申し上げます。
 
    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクターいのかしら公園動物病院の石橋でした。