2016.07.15

●東京都知事●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 雨ですねえ。

 都知事候補の皆さん。雨の中、選挙活動ご苦労様です。濡れてしまった靴下は、途中から脱いで演説してるんでしょうか。

 もとから靴下を履いてない あの方 は立候補するのを辞めちゃいましたね。

 彼が都知事になったら、新しく不倫文化局とかできるのかなと興味深々でしたが、幻に終わってしまいました。

 いずれにせよ・・首都をなめたらいかんという自制心が働いたのは立派です。引き続き、舞台やドラマや写真週刊誌のほうで頑張っていただきたいですね。

 各人の持ち場で奮闘する。 基本です。

 つづく・・・となっていた ロビンソンさんのその後ですが、このあと現地は観光のハイシーズンとなる関係上、詳細は伏せるということになりました。

 なにしろ このあとロビンソンさんが山の中で繰り広げた あんなことや こんなこと が素晴らしすぎて、このブログを読んだ全世界、数十億の人々が一斉に、私にもお願い!なんてことになると、ロビンソン小屋がパンクする可能性がでてきます。

 さっき 電話をしてみたら、今日もロビンソン小屋には、サバ缶片手に「これでヤシガニ探しにつれてってくれ」とか、枕片手に「寝釣りをしたいんですけど・・・・」なんてなリクエストが殺到しているとのこと。

 この上 あらたなリクエストが増えると、ロビンソンさんの身が持ちませんからね。
 しかも、山の中でのあんなことや こんなことは、難易度が高すぎて、仕事にはしづらいです。

 まぁ どうしても。無理にでも。という事ならば、これは相当にガイド料が高くつくか、死を覚悟しての挑戦ということになるでしょう。喫煙者は禁煙の誓いをたてなければ連れて行ってもらえないことは言うまでもありません。
 

    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.07.12

●ハイポニカ農法●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 今日の暑さはちょいと危険ですね。くれぐれも無理な散歩をさせないようにお願いしますね。
 留守宅の空調にもご注意ください。

 写真は、ようやく収穫の本番をむかえたヴェランダのトマトたち。これから8月上旬くらいまでは、毎日ボールいっぱいのトマトが収穫できます。

 梅雨があけると暑さで一気に樹勢が弱まり、ダメになってしまうんですけどね。

 今年はゴーヤも水耕栽培にしています。ゴーヤは連作に弱いので、今年は地面を休ませようということで、水耕栽培にしているのですが、果たして、十分な収穫が見込めるのか・・。通常は、バカほどなりまくり、ひと夏、毎日、昼飯はゴーヤチャンプルーなんですが、今年はどうなることやら。うちは緑のカーテンとか、エコとかどうてもいいんです。食い意地最優先。なんなら葉っぱなんか生えなくてもいいから実がなればいいと思ってます。

 水耕栽培のいいところは、成長が早くて収穫量が多いことなんですが、ちょっと気をゆるめると水ぎれで壊滅してしまう危険があるので要注意です。水と肥料の計量と補給が、意外と手間で、とくに今年は、仕事が忙しいので、自宅に帰っている時間が短いので、いまいち世話ができていません。

 しかも、今年は、科学論文を論拠に淡々と語るマダム・ジャカランダが、「水耕栽培の作物。栄養ねぇから」と一言で片づけやがるもんですから、ちょっと凹んでおります。ロビンソンさんの 「虫 おもしろくねぇから」くらいの破壊力で、私のモチベーションを奪い去っていきましたからね。

 でもねぇ 私は諦めませんよ。

「焼酎のグレープフルーツ割は太らねぇ」とドヤ顔で断言して、毎晩のみまくってたマダム・ジャカランダから、ある日、「やっぱ 太るわ・・」ってメールが来たことを思えば、水耕栽培の作物にだって、栄養があっても不思議じゃありませんからね。

 マダムジャカランダのアドバイスとはいえ、万能ではないと信じたい。

 このまえ、彼女に、20代の頃の写真みせてくださいよって、セクハラまがいのリクエスト(対象年齢的にはセーフですけどね)をしたら、しれぇ~っと オードリー・ヘップバーンのモノクロのポートレートを送って来やがりましてね。まったく油断もスキもありゃしません。

 おとなりのお婆ちゃんが南方のご出身で、いつもゴーヤのおすそわけを喜んでくださるので、なんとかこの夏も豊作といきたいものです。栄養だって(きっと)あるぞと信じて。

 では、皆さま、暑さにまけず。今日もいちにち。ノビノビと。

    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.07.12

●腰痛●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 本日は火曜日。
 皆さまご存じ 休診日でございます。

 継続の外来一件。入院2件と、順調にお仕事をさせていただいたおります。人の気配があるからといって、間違っても、ドアをお開けになりませぬよう。「餌だけだから シクヨロ!」ってな御来院のないよう、ひらによろしくお願い申し上げます。

 暑いし、猛烈に腰いたいし。とくにいいことないし。せめて爽やかな写真をのせましょうね。写真は、当ブログでもたびたび登場する、西表島のヒナイ滝を下から見上げた図でございます。提供は、ご存じ西表自然美術館様。空の青がまぶしいですねぇ。

 落差60m。沖縄県下最大の高さを誇る滝です。滝つぼには、大きな岩がそそり立っているので、滝上から滝つぼにドボンと飛び込むことはできません。ドボンじゃなくてベチャってなります。この岩は、もともと、滝上の岩だなの一部が崩れたものです。今日、滝上で記念撮影をしているどなたかが、偶然にも自分がお座りの岩が崩落する瞬間に遭遇するかもしれません。自然相手の遊びというものは、常に危険と隣り合わせであります。

 この夏、観光でどこかの鍾乳洞に行かれる方もいらっしゃるかもしれません。そのときには、眼下に広がる鍾乳洞の、神秘的な鍾乳石だけではなく、ゴロゴロと転がる、自動車大の巨岩にもご注目ください。巨岩の形をよぉく見て記憶し、次に、岩の直上の、洞窟の天井を観察してみてください。落ちている岩の背の形状と、天井の欠けの形が一致する場所が見つかるかもしれません。何万年前なのか、何千年前なのか、はたまた昨日なのか・・・・ その岩ははるか数十メートル上の天井から落ちてきたのです。そして、今日、観光をしているだれかの上に、何万年ぶりかに、天井の一部が落ちてくるかもしれません。通路が舗装してあって、手すりがとりつけてあって、照明もつけられていて、入場料をとる観光地であっても、そこは天然の洞窟。生きて出られるか否かは、まさに 運.... なのです。

 さて・・今日は限界なので武蔵野長生館のお世話になってきますかね。

 立てなくなったら長生館。息子さんたちが三鷹と吉祥寺にそれぞれ独立 開業なさってますが、もう30年もお世話になってるので、今日も大先生のところへGO!


    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.07.12

●ロビンソンさんからのメッセージ●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 いちおうふつうに歩けるようになったので、武蔵野長生館の大先生に感謝しつつ、今日もえっちらおっちら仕事です。

 写真は、ご存じ西表島のロビンソンさんです。
 なんというか、このブログ、ロビンソン小屋のブログか?っちゅうくらいロビンソンさんが出てきますけどね。気にせず楽しんでください。

 で、これから、ジャングルに出発しますよぉ~というポートレートでございます。 ロビンソンさんがこれから山で何をするかは また次回。  つづく!

 楽しいお便りをご紹介する末尾に「怒りの記事」を書くのもなんですけどね・・・今日も野鳥の持ち込みがあったので、ついでに書いときます。

 粘着型のネズミ捕りってありますよね。

 あれって、鳥からみえるところ。オープンスペースの場所には置かないようにお願いしますね。 ネズミがかかって、あと始末する際には、ちゃんとパタンと閉じて処理してください。そこらに出しっぱなしにしないこと!! 寄ってくるハエを捕食しようとして・・・あるいはネズミを寄せるための餌に反応して、スズメやシジュウカラなどの野鳥が寄ってきてしまいますから。

 それから、粘着剤にはりついた野鳥を動物病院に持ち込もうとする場合、勝手に剥がすのやめてくださいね。経験のない人がやると、骨折・脱臼はあたりまえ。胸を潰してしまうことも多いですし、なにより粘着剤のついてない無事な部分まで粘着剤がついてしまいます。

 ネズミ捕りにはりついた鳥を助ける作業は、とてもとても大変な作業です。時間も手間も消耗品もいっぱいいっぱいかかります。頼まれれば こっちは真面目に対応しますけどね。それこそ持ち込んだ人の想像以上の仕事をするんです。
 だったら、せめて 助かる見込みを減らさずにもってきていただきたい。余計なことをされて、死ぬしかない状態の個体を持ち込まれても、こっちはただただ悲しい思いをするだけですからね。

 はじめての方で、病院を探していて、今日のこのブログ読んじゃった人。絶対 この病院行きたくないって思ったかもしれませんね。なんか この獣医 怒ってるし・・こわいし・・・って。

 そんなことありませんからねぇ~。可愛い子犬・子猫をつれて、ぜひ来院くださいねぇ~。

 怒ってない記事もありますから、下のほうスクロールして読んでみてくださいねぇ~。

    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.07.10

●薄暮●

本日もお立ち寄りありがとうございます。
 蒸し暑いですね。
 
 昨日、ノアちゃんからのメッセージを改めて読んでいたら、ノアちゃんが火傷をした日って、12月23日だったんですね。来院日がクリスマス・イブだったんで、そっちの印象がつよくて気付かずにいました。
 
 
 12月23日って・・私の誕生日なんですよ。
 不思議な縁がありますね。

 背筋をピンと伸ばして、胸をはって、目が合うとドヤ顔でニカっと笑う犬。
 いい味だしてます。

 写真は、師匠が送ってくれた写真のうちのもう一枚。ちょっと空が明るいです。この時間帯だと泡盛はまだ2-3杯目ってところかな。オリオンビールは、すでに5-6缶終わってるんですけどね。

 だから 朝焼けだって・・・という師匠からの指摘が来ないので やっぱ夕焼けでいいのかな(笑)

 なんなら 朝から飲んじゃいますけどね。

    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.07.07

●たなばた●

本日もお立ち寄りありがとうございます。
 
 本日7月7日の七夕は、当院の開業記念日です。

 2000年の7月7日に開業してから、17回目の記念日。あの当時は、ここに住んでました。開業準備がぜんぜん間に合わなくて、前日の朝4時ごろまで院内清掃とかしてて、倒れこむように宿直室 兼 住処(すみか)のパイプベッドに倒れこんで、そのまま記憶が飛び・・・うわ! やばい!時間だって、シャッターをあけたら、そこには既に患者さんが待っててくれました。

 開業初日、患者さんが誰も来なかったら寂しかろうということで、朝一番で駆けつけてくださったMさん。それから17年、いまでも時々ネコと新顔の柴犬をつれてお見えになりますが、あの日のMさんの優しいお顔は忘れられません。

 米吉くんのお母さん(当ブログ、沖縄食材の大量差し入れでお馴染みのマスター・チヨ)には、毎日毎日 晩ご飯のおかずを届けていただきました。腰痛で動けなくなったときには、リリカのお母さんに車で整体に運んでもらったっけ・・・。

 最初がそんな感じだったおかげでしょうか、それから沢山の優しい飼い主さんに支えられて、今日まで頑張ってこれました。感謝の気持ちでいっぱいです。

 あの朝、私が知らない東京のどこかの空の下で、おむつをつけてヨチヨチしていた3歳児が、いま、うちの看護業務の一切を背負って頑張ってくれています。なんか不思議です。

 昨日、飼い主さんの声 のコーナーを更新しました。ノアちゃんの飼い主さんから、応援メッセージをいただいたので、ありがたく掲載させていただいたのですが、ほんとに恐縮です。ありがとうございました。

 飼い主さんの声のコーナー。
 マダム・ジャカランダは、自作自演だと思われるのがオチだからやめとけ!とアドバイスをくださいました。たしかに、その可能性は否めません。彼女のアドバイスはいつも冷静かつ適切かつ愛情がこもっていて、凹んだときにはいつも救われています。ちなみに、彼女も獣医さんです。怖いけど美人です。

 たしかに、自作自演と勘繰られるダサい企画かなとも思いました。マダムジャカランダのアドバイスは、従っておいて間違いありません。でも、うちには最先端の医療機器があるわけじゃないし、何かウリを書けとホームページの会社の人にいわれても、困るわけですよ。うちのウリといったら、飼い主さんからの応援の言葉と、頑張って働いてくれるスタッフくらいですからね。なので、こっぱずかしいコーナーなれど、飼い主さんからの声のところは残すことにしました。

 第一号は、ミントちゃんのお母さんが書いてくださいました。ミントちゃんの場合、問診の半分が、うちの娘の教育の相談という・・こっちがお金を払うべきじゃないのか?という不思議な関係となっておりますが、ミントちゃんのお母さんのおかげで、うちの娘は、父親に似ず、算数が好きな子になれました。
 算数が大丈夫 という意味では、ラブくんのお母さんにそろばんを習っていることも大きくプラスになっています。
 手術が入った時、米吉くんのお母さん(マスター・チヨ)が娘をあずかってくださった・・なんてこともありましたなぁ・・。迎えに行ったら、米吉家のお孫ちゃんたちにまざって、楽しそうにしてましたねぇ。

 17年間。主として、こんな調子でやっております。
 ありがたいことです。

 今日のお写真は、西表の師匠が、ここ2日の私のブログを読んで心配して送って下さったものです。夕焼けが夜空にかわっていく景色が大好きだって話。師匠にしたのか覚えてませんが、心の通じ合ったものどうしの奇跡なんでしょうか。いい写真を送っていただきました。波の音と、鳥の声を楽しみつつ。どこかの民家から聞こえてくる、遠い三線の音色を肴に、まだ暖かい岩の上に寝そべって泡盛を飲む(主としてラッパ飲みかか茶碗酒)・・・そんな極楽浄土の写真です。

 テツさんよぉ・・あれ、朝焼けの写真だったんだぜ。ってなオチがつくのかな。

 今後ともよろしくお願いします。

    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.06.30

●おっさんジャーキー●

本日もお立ち寄りありがとうございます。
 引き続き、ためになる情報ゼロでお送りしております。

 6月も終わりますねぇ。カレンダーが7月になってしまうと否が応でも夏!って雰囲気になってしまって 暑苦しくて嫌ですねぇ。今年も去年のような猛暑になるのか。心配です。
 皆さま、熱中症対策を怠りなく。

 さっきまで、自分のお尻(解剖用語でピンポイントに説明すると、肛門)を舐め続けていたアカネちゃん。なんでそんなに肛門舐めるんだろう。肛門腺もちゃんと絞ってあげてるのに・・。

 と思っていた、その直後・・・・ うわ! くるな。その口で懐くな!!

 かれこれ10分以上、私の足を舐め続けています。脛から下。フクラハギからクルブシまで、丹念に丹念に、それこそ匠の技か!?っちゅうくらいの丁寧さで舐めております。しまいには、齧り始めましたよ。
 痛っ 痛っ 痛っ 痛っ 人の足を食うなコラ!
 何味なんだ私の足は。 君がさっきまで舐めてたところ(つまり肛門)と同じ味がするのか? 俺の足は材料がおっさんで、味が肛門味なのか? おっさんジャーキー肛門味・・ 軽く凹むぞ。

 ヒヤっと涼しい部分と ヌルっと生暖かい部分が混在して、いいかげん気持ち悪いので避難しましたが、今では表面が乾いて、歩くとパリパリした感じがつたわってきます。ペンキ塗りたての気分です。

 なんなんでしょうね。犬の唾液って。あの濃い感じ。犬が食べたあとの皿とか洗ってもなかなかヌメリがとれないじゃないですか。不必要な過剰性能って感じがしますよね。

 6月最後のブログを、私の足と犬の肛門が間接キッスした話題で〆なければならないことを大変残念に思いつつ・・・。

 また来月もよろしくお願いします。
 
    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.06.29

●講習会●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 昨日 火曜日は ご存じ休診日でございましたが、脊椎疾患の症例を2件ほど治療したのち、動物取扱責任者講習を受講するためダッシュで中野へ行ってまいりました。

 さて。中野と言えば、五代将軍・徳川綱吉公が発した、生類憐みの令ゆかりの地でございます。

 その中野で、世が世なら打ち首獄門な皆さんが呼び出されて、動物愛護法で義務付けられた講習を受講する・・。

 なんとも不思議な偶然の一致であります。天国の綱吉公も、「やっと時代が俺についてきたぜ!」と満足なさっていることでしょう。

 この講習会。主としてペット屋さんなどの動物取扱業者を対象に開催されておりますが、動物病院も受講しなければなりません。ペットホテルは動物を「保管」する、保管業とみなされるので、入院と別枠でこれを行う動物病院は、動物取扱業者としての登録をしなくてはならないのです。

 私の場合、それに加えて、糠床(ぬかどこ)犬がいますので、販売業のほうでも、動物取扱業者の登録をしないといけません。
 ゴールデン・レトリバーを自宅で繁殖した場合、都合よく、自分が残すぶんの一匹しか生まれないなんてミラクルはめったにおこりませんから、残りの子犬はだれかに譲渡することになります。このとき、タダでさしあげたとしても、個体数が複数だったら、これは販売業とみなされる。というのが法律上の解釈となります。自宅でハムスターが繰り返し子供を産み、それを毎回、ペット屋さんにひきとってもらうというのも、実は販売業と同じ行為で、法律で規制されます。

 この法律のため、自宅で小規模に犬を増やしていたブリーダーが激減し、ペットショップで犬が手に入りにくいという事態も起きたようです。キャベツじゃあるまいし、あり余るほど子犬が生産されるなんてことは、異常ですから、動物福祉目線では、成功した法律といえるかもしれません。

 が!!
 私は 毎回 怒り心頭でこの講習を受けています。
 ようするに、行きたくない。
 時間の無駄。 やめてほしい。
 
 講習会場で、まわりを見回すと、上野動物園の獣医さんがいたりします。この方たち、展示業の責任者として、受講を余儀なくされているのですが、あきらかにおかしいと思います。公立の動物園と猫カフェはいっしょか???
 あの天下の上野動物園の、たいていは国立大卒の、ジャイアントパンダの主治医ともあろう方々が、打ち首獄門の群れに交じって、意味のないクソつまんねぇ講義(失礼。言葉が汚いですね)を受講しなければならないという・・・。なんじゃそりゃ。

 そもそも私たち獣医師は、公衆衛生や家畜衛生など、この講習会で取り上げられるテーマに該当する学問を、ちゃんと大学で履修して単位とって国家試験にうかって、獣医師という国家資格を取得しているんです。

 日々の仕事においても、動物を飼育するというジャンルで、常に指導的立場で社会に貢献しているハズなわけで・・。

 そんな私たちが、なんで街のペット屋さんと机をならべて同じテーマで講習会を受けなければならないのか・・

 仕事を休み、休日を潰されて(これはすべての受講者にとって同じ負担ですけどね)、犬舎の消毒の仕方を習わないといけないのか・・。

 正午の受付開始から、都合4時間の拘束ですからね。
 深夜バス サイコロの旅ほどじゃないけど ケツにも腰にもきますよ。
 

 たとえばですよ。
 ご自分の人生の終焉を想像してみてください。
 点滴の管やら、尿道カテーテルやら胃瘻やらに繋げられて、床ずれの痛みを伝えたくても人工呼吸器が入ってるからしゃべれないあなたがベッドに横たわっているとします。終焉といっても、そんなにあっさりぽっくりとは逝かせてもらえない、エンドレスな苦痛の日々です。
 そんな病床でね・・思い起こすわけですよ。 まだ自由に動けて、美味しく飯が食べれたころのことを。あのときの貴重な4時間を、今この瞬間とすり替えることができたらどんなにいいだろうって。 あのときの4時間を返せと。

 いやほんと。大事ですよ。時間って。
 自分の時間が大事なんだったら 他人の時間だって大事であるべきで、おいそれと他人様の時間を無駄にしちゃぁ いかんと思うのですよ。

 しかもこの講習会、受付やらなにやらの段取りが異常に悪い。もう、主催者の正気を疑うばかりの段取りの悪さ。

 講義が早めに終わってしまい、時間があまったので趣味の落語を披露しますとか言い出す奇想天外な講師まで現れたことがあります。

 もうね。ほんと。いきたくないんです。この講習会。

 でも 行ってきましたよ。しょうがないから。

 もちろん 怒りながらですよ。さとう珠緒でいったら ぷん!ぷん!ってな感じですよ。おっさんだから可愛くないけど。

 で・・聴いてみたらまぁ・・。

 超 おもしろかった! 
 今日の講師は神でした。
 水越 美奈先生? 日獣大の先生だって。

 大学の聴講生の手続きして、この先生の講義を本気で受けたいと思いましたね。
 
 いやぁ。行ってよかったわ。講習会。

 ああ おもしろかった。

 もう 毎回この先生の話にしてほしい。

 水越先生 サイコー!

 あれ? ブログに怒りをぶちまけるつもりで写真とってきたのに、なんか違う。  ま・・・いっか。結果オーライ。

 毎回、アンケートにボロカスに苦情を書いた(きっと多くの方がそうしたにちがいない)成果もあり、段取りもかなり改善されておりました。
 
 いつもは終了後、なかなか会場の外に出られなかったのですが、今回はそれもなく。すんなり終わりました。
 ペットシッター藩士の推理によると、舛添都知事の退陣で、受講証明書にハンコを押す人が不在だから、受講証明書が後日郵送になったんじゃないかと。そのおかげで、帰りの手続きが簡素化されたと。 なるほど 来年もそうしてほしいですね。

 できれば 来年の受講証明書に、「そのまんま東」なんて署名捺印がないことを祈ります。 
 首都をナメんなよと。
  

    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.06.27

●秋刀魚の骨 外伝●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 あっついですねぇ。

 熱中症にご注意ください。

 さて。
 土曜日の閉院後、重たい体をひきずりつつ、おのぼりさん状態で新宿までいき、友人と新年会をしてきました。
 忘年会が流れ、新年会が流れ、じゃぁ新年度会だっ!君 うまいこと言うねぇ、って計画してみたものの、4月なんて仕事おわったらそのままダウンするから無理・・・・ 
 そんなこんなで、一年がちょうど半分すぎた土曜日の夜。蒸し暑い新宿の路地裏で、あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。とビールを酌み交わしたのであります。

 小鳥の話で盛り上がっていたときのこと。
 いきなり彼の背中から猛烈な殺気があふれかえりました。

 いえ・・そもそもわたくし、殺気なんてものの実物とは縁遠い人生をおくって来ましたからね。いまのが殺気だ!なんて言おうものなら、ちょっとした知ったかぶりですよ。ホンモノに遭遇したことないんだから。

 でも 今のって殺気ですよね? なんか 漫画でいったら ウゴゴゴゴゴとか、メラメラメラっとか グワシ! とか サバラ! ってな効果音が出てるくらいの感じだったし。

 はじめて感じましたよ。殺気ってやつを。

 いやもう、どんだけ初めてかっつったら「はじめての絵本シリーズ第13巻 はじめての殺気」くらいのはじめてさ加減だった。うん。

 過去に経験がないにもかかわらず・・・はっきりと殺気と自覚できる具体性をもって私の五感に飛び込んできたのが不思議。

 忍者とか出てくるドラマで 田村正和さんあたりが演じる達人が、ふと立ち止まり「気のせいか・・いまそこに殺気を感じたような気がしたが・・・」なんてなシーンがありますよね。あわてて水にもぐって気配を消した真田広之さんあたりが、田村正和さんが立ち去るのを確認して胸をなでおろしたりするヤツ(昭和なキャストでお送りしておりますが)。

 あれってほんとなのね。って実感できました。

 で、彼に、いったい何事かい?って聞いたら、なにやら隣の席の若者が大変なご無礼を働いたとのこと。私からは死角でよく見えなかったのですが、聞いてみたら、確かにご無礼な話でした。

 が!それにしても いまの殺気は何?? 
 こえ~なアンタ。何食べて育つとそんなことになるのさ。

 いやね・・・。聞いて驚きましたよ。
 殺気の出る食べ物を食べて育ったわけじゃないんだって。
 彼は、血気盛んな少年時代に、お灸をすえる目的で親に無理やり軍隊に入れられたんだそーですよ。
 日本だったらせいぜいお寺ですよね。
 軍隊って・・・ 単語の非日常性についていけない。

 軍隊に入れられた彼は、そこで猛訓練をうけ、さまざまな○×▽□(怖いので自主規制)なスキルを叩き込まれたんだそうです。もともと真面目な彼は、メキメキ頭角を現してしまい、その素質を高く評価され、最終的にとある特殊部隊に配備され、麻薬捜査官として、数々の犯罪者を○×▽□(怖すぎるから自主規制)・・・・。

 その武功で、勲章をもらってしまったがために、危険な現場に配備されていることがお父さんにバレ、「息子が死んだらどうしてくれるんだ!」と怒り狂ったお父さんの手配で、無理やり病気除隊の手続きをでっちあげられて帰宅。そのまま日本に送られて、ビジネス専門学校の学生になったんだとか・・・・。

 ふだんは、優しくて礼儀正しいビジネスマンの彼に、こんなわけのわからん経歴があったとは・・。
 他国で成功するような人ってのは、歩んできた人生の厚みや深さも違うのね・・と、彼への尊敬の気持ちがさらに高まると同時に、自分のぬるま湯さ加減を実感いたしました。

 いや。 これ ほんとの話ですからね。お話しの途中で具体的かつマニアックな質問をあれこれしてみましたけど、あきらかに使いこなしてる感がありましたし、敵を素手で○×▽□する(自主規制)方法なんかは、なるほど理にかなっていました。 ご無礼な若者くんたち、死と隣り合わせだったって事に気が付いてないだろうなぁ。 お~ こわ。

 ほんと びっくりぽんなお人でしたわ。

 見送りますからと言って、わざわざ反対方向のホームまでつきあってくれて、私の乗った電車が発車するまで手をふってくれてた、あのにこやかな人が・・・。家では優しいお父さんだって聞くし・・。

 翌朝、平和な日常にもどった私に、いかにもおだやかな話題が待っててくれました。

 写真は、ご存じピンセットでございます。

 関係ないですけど ピンセットって、オランダ語とかフランス語なんですってね。英語だとtweezers 。手術に使うピンセットはなぜかforcepsってカタログ表記され、日本語だと攝子(せっし)といいます。

 この写真のピンセット。カナちゃんのお父さんが、薬局でみつけて、思わず「これだ!!」と喜び勇んで買ってこられたものだそうです。

 何が 「これだ!!」 なのかというと、「これなら娘の喉に刺さった魚の骨が抜きやすいぞ!!」 ということなんですね。 わかります。その気持ち。

 ドラッグストアの棚にこのピンセットを見つけた瞬間の、小さくガッツポーズだったに違いないお父さんの背中からは、殺気とは対極にある感じの優しいオーラが出てたに違いありません。はじめて自転車に乗れた ちび・カナちゃんが、転ばないようにハラハラしながら見守ってた時のお父さんと同じ背中だったと思います。 今、そこの松の木で、サツキとメイが笑ったように見えたの・・・みたいな感じ。

 世のお父さんの背中からはいろんなものが出ますね。

 私も 背中から加齢臭とか出ないように気をつけないと。

 喉に魚の骨が刺さりやすい看護師は、元気に仕事をしています。今日は刺さってないみたいですね。よかったです。

    以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.06.20

●朝から●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 早朝の庭に響き渡る鳥のさえずり。

 さえずりというより 雄叫び というレベルの大音量。こんなのが毎朝つづいたら、睡眠不足になります。

 声の主は、ご存じ、特定外来生物のガビチョウでございます。庭かと思ったら となりの家の電線にいました。

 中国では、昔から(今でも)人気の鳥で、鳴き合わせ会なども開催されています。

 日本にも、ある時期、大量に輸入されて飼育されていました。ところが、色が地味だったり、鳴き声が大きすぎたりして、けっこうな数が遺棄されました。

 遺棄と聞くと なんで? 思う方も多いかと思われますが、古くからある日本独特の飼い鳥文化の中には、あるていど飼育したら、そのあと野に返す という風潮がありまして、これは、オオタカを用いた鷹狩の世界にもみられます。ある意味、循環型の消費形態と言えますので、国産の生き物とつきあう方法としては、悪いことではないのかもしれません。昔は、そんなに長距離の移動手段もないですから、国内移入による遺伝子の攪乱などというめんどくさい話も起きにくかったと思います。ところが法律のせいで、古くからの循環型・小規模消費の飼育文化が崩壊し、輸入個体を購入しなければならない世の中となりました。そのせいで、放しちゃったらまずいだろってな、まるっきりの外来種も沢山飼われて、用が済んだらお外にリリース!となり、今日の問題へと至ります。

 日本に定着したガビチョウは、数年前までは、藤野や高尾山などのちょっと山奥に生息していましたが、ここ数年で里山に降りてきて、さらには、今朝のように宅地でその姿を見かけるようになってきています。庭の植え込みで繁殖した例も散見されるようになりました。

 怪我をした野鳥や親からはぐれたヒナが保護されて来る中で、特定外来生物が持ち込まれるほどやっかいなことはありません。一般の方は、種類の特定ができませんから、病院に来るまでの間に、十分愛着を感じ、感情移入が完了して来られます。その段階でいきなり、「特定外来種なので殺処分です」なんて伝えた日には、獣医は鬼だ悪魔だとののしられます。だからといって、「この子は私が守ります」といって、持ち帰ろうとする保護者を、そのままにするわけにもいきません。飼育しているところをみつかったら逮捕されますから。

 今朝、庭に響いたガビチョウの絶叫を聞いたとき、近い将来、ガビチョウの保護件数がヒヨドリとムクドリを超える日が来るのかもしれないと 暗い気持ちになりました。だって、庭に営巣したガビチョウを、一般家庭のご家族は、猫やらカラスから守りつつ、巣立ちを暖かくサポートしすよね?? 確実に殖えますよ。 ガビチョウ。

 駆除や殺処分については、わたしとて鳥好きの一人として心が痛みます。ただ拾ってきて病院に丸投げして好き勝手なこと言う人たちに比べたら、よっぽど命の重さを尊重していると自負しています。しかし、法律を遵守すべき立場の専門家として 手を汚さないといけないし誹謗中傷にも対応しないといけない。正確には、いけない のではなく、そういうハメになる というのが実情。頭が痛いです。

 いちばんいいのは、拾ってこないこと。なんですけどね・・・・ 

 でも  拾ってきますよね・・・怪我した鳥が自分んちの庭でのたうちまわっていたら。

 環境省様。 こんなことを個人の現場判断と対応にまかせっぱなしにするのではなく、なにか具体的な受け皿をつくってください。そもそも我々開業医に、外来生物を殺処分しなければならない義務はありません。
 法律を作る前の 想像力 がなさすぎです!

 まあ そのうちに朝4時とかに安眠を妨害された日本国民が立ち上がり、ガビチョウ憎し! 殺してしまえ!という世論が形成されるかもしれません。

 勝手なもんですな・・・。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。