2016.04.02

●まぁ このぉ~●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 昨日のウェイティングリストの記入例のところに、全く何の気なしに、飼い主:タナカ・カクエイ ペット名:ランラン 種類:ジャイアントパンダなんてことを書いたんですけどね。うちの新人のカナちゃんなんかは、平成生まれですからね。ご存知ないわけです。ランラン・カンカンを。 もう つっこみようがないから、まったくボケになってない。

 そもそも、以前このブログに書いた、リンリン・ランラン劉園♪ なんてのも ほとんどの方が覚えてない!

 もうね。孤立無援。マドモアゼル・フランソワーズのリアクションだけを心の支えにブログを書き続けてるといった状態に陥っております。リスザルだったら とっくに死んでますね。

 で・・・タナカ・カクエイさんのパンダの話しなんですけどね。

 昨夜 おそく帰って、録画しておいた石原・元都知事の出てる番組をみたら、びっくりですわ。

 思いっきり田中角栄・元総理大臣の特集じゃありませんか! 当然、日中国交正常化とジャイアントパンダのランラン・カンカンのエピソードも出てくるわけです。なんという偶然。

 こういう全く無意味な「引きの強さ」はいらないから、宝くじを当ててくれと。チャンスの神様に強く願う次第であります。

 ちなみに。チャンスの神様は前髪しかないって言いますよね。どんな神様なんだろうって、必死にその御姿を想像してみるんですけど、私の頭の中には芋洗坂係長しか出てこなくて残念です。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.04.01

●びっくりぽん でございます●

お立ち寄りありがとうございます。

 キリの良い、年度はじめ。桜も満開でございます。そして、本日は、ご存知エイプリルフールでございます。

 うちなんかはですね。もう エイプリルフールどころじゃありませんよ。

 リアル「まじか? お願いウソだと言って!」ってな事態でございます。

 永らく皆さまに可愛がっていただいた、長期熟成老齢看護士ヴェテラン看護師士の2名が、今日から居ません!

 犬はお嫁にもらってくれないことに気づいたらしく、ようやく現実の世界にもどっていきました。

 彼女たちの未来に幸多かれと祈るのはいいんですが、眼の前の現実は 私にしてみりゃ ヤバいの一言。

 なんせね。動物看護士さんには、ノビノビと主体性をもって仕事をしてもらおうという、獣医にしたら珍しい心ある対応で接してきましたからね。10年もたちゃ、立場が逆転。後半、頼りっきりですわ。いまとなってはもう、どこに何がしまってあるのかすら 忘却の彼方。

 熟年離婚のおとーさんが、どこに靴下があるのか判らないのと一緒でございます。

 さあて。 どうしたものか。 まぁ悩んでいてもしょうがない。カミさんと、新人看護師のカナちゃんといっしょに力を合わせて頑張っていくしかありません。

 そんなわけですから、しばらくの間は飼い主の皆様に多大なるご不便・ご迷惑をおかけすることと思われますが、なにとぞ 生温かい目で見守っていただき、変わらず ご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。

 新人看護師とボケ院長に対する救済の一環として、カルテ出し作業を円滑化するために、皆さまにはウェイティングリストへのご記入をお願いしております。

 ご来院順に、カルテ検索のヒントとなる情報をご記入いただき、順番をお待ちください。もちろん、緊急性のある場合には、あらかじめ お声がけいただきたく。よろしくお願いいたします。

 なお、ウェイティングリストの記入例のところに、毎日、軽く、ボケをかましときますので、会話のきっかけにしていただければ幸いでございます。

    ただ・・・・今日のはいまいちだったかな。
 
   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.03.24

●花冷え●

本日も お立ち寄りありがとうございます。

 日本には四季折々の美しい言葉がありますが、いくら雅な言葉だって、寒いもんは寒い。

 骨髄先輩にも頑張っていただきたいのに。

 春だよ~って言われて、力を抜いたスキに襲ってくる花冷えはカンベンです。

 写真は、寒さにも注射にも負けず、いつも平常心の癒し系ワンコ(仮名)。あったかくして頑張って!

 今日は、警察案件が2件。 次回紹介します。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.03.20

●野菜の時間●

さて。本日も お立ち寄りありがとうございます。

 世間は3連休なんですって。御用納め君といっしょにアメリカで暮らしているに違いない3連休君の無事を祈って、本日も持ち場にて奮闘しております。

 写真は、ご存知、野菜でございます。

 見りゃわかるって。 失礼しました。

 でもね。これ 立派なトピックなんですよ。
 
 まずは感謝です。 カミさんの体調を気遣って下さっての頂きものなわけですよ。本当にありがたいです。飼い主さんの後姿に手をあわせてる動物病院ってあんまり無いんじゃないかと。 とにかく感謝です。

 で・・・その有り難い野菜を、同日に、別々の御三方から、それこそ、次々と頂いたというね。 有り難くも不思議な一日でございました。

 ちなみに、うちは、ちゃんと診療費をお金で頂いてますから。治療費払えない方からは畑で採れたものをもらってますとか、そういう話じゃありません。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.03.16

●あるある探検隊●

高尾か巣鴨かわからない♪ ハイっ!
 

 さて。本日も お立ち寄りありがとうございます。


 タイトルが、わけわかりませんが、一種の心の叫びとでもご理解いただければいいかと思います。本日も前々回からの流れで、卵の話でございます。 

 「卵が割れてたって、早くに食べてしまえばいいんじゃないの?」 Why American people, Why?? もったいないだろー!  というお話の続きです。

 卵の衛生を考えるとき、最も重要なのがサルモネラ菌の汚染です。サルモネラ菌は、鶏の腸内に常在する菌で、人の食中毒の原因菌として有名です。

 人や、たいていの哺乳類では、泌尿・生殖器系の出入り口と肛門は別の場所にあります。しかし、鶏や爬虫類や魚類の場合、便も尿も卵も、いったん、総排泄腔という共有の空間を経て、総排泄孔という一つの孔から出てきます。外見上、鶏の肛門に見える部分が、総排泄孔です。

 私たちがふだん食べている鶏卵は、かならず、この総排泄腔を通過して出てくるので、鶏卵の表面にはサルモネラ菌を含む糞便がへばりつきます。

 卵殻にへばりついたサルモネラ菌は、卵殻の微小な孔を通過して、卵の中に侵入することができます。ただし、卵を奇麗にしようと思って、水道水で洗うと、かえって、菌が殻を通過しやすくなるため、洗うならば、60℃のお湯で洗うことが推奨されています。当然のことながら、卵殻にヒビが入っていると、サルモネラ菌は難なく中身に侵入できます。
 
 サルモネラ菌は、冷蔵保存で、ある程度、増殖スピードを抑えることができますが、増殖を完全に止めることはできないので、冷蔵でも長くは保存できません。ヒビの入った卵は早々にサルモネラ菌が中身を汚染しますので、冷蔵でも保存すべきではありません。流通過程で常温保存されているような場合ではなおのことです。

 で・・・アメリカの食料品店の卵売り場ですが、いま思えば、常温でした。ふつうに通路においてあるカートの上にパックが山積みで、冷蔵はしていません。

 だとすると、割れた卵は、急いで食べれば安全どころか、既にじゅうぶん危険な卵だったと考えてよいのかもしれません。

 いまさら説明するまでもありませんが、日本では、生卵を食べることが前提なので、卵に対する衛生的配慮が世界に類をみないほど厳密です。
 生産者は出荷時に割れ卵を選別除去して、さらに 殺菌 します。
 殺菌方法はいろいろありますが、60度のお湯を使って、卵殻を洗浄する方法に加えて、次亜塩素酸に付け込んで、菌を殺します。中にはお湯の中にオゾンをまぜたり、ブラシ洗浄したりする工場もあります。
 殺菌後は、消費者の手に渡るまで、確実に冷蔵保存で流通していきます。
 
 日本にも まれに、殺菌していない卵が売っていることがありますが、あくまでも稀な例であり、その卵には 殺菌 と表示されていないので、すぐにわかります。ただし、冷蔵保存している上に、鮮度も重視されているので、自宅での処理さえ間違えなければ、安全に食べることができます。

 一方、アメリカでは、そもそも卵を生で食べることを前提としていないので、出荷に際して、見た目を意識した洗浄はするけれども、殺菌という概念はほとんどないようです。国土の広さと人材の確保の難しさから、流通過程での割れ卵の扱いや、温度管理もかなりテキトーなことになるのは避けられないようです。
 まれに殺菌卵という商品もあるようですが、極めて特殊な存在らしく、アメリカで卵といったら、割れてて、サルモネラが元気に生きている卵だと思わないといけない。買う側もそれは織り込み済みなので、卵を買いたければ、他者を思いやらない強い心と、北斗神拳を習得しなければならない。と。

 ここで一つ、腑に落ちたことがあります。
 よく、負けたサッカーの選手に腐った卵を投げつけるヨーロッパや南米のサポーターが紹介されますが、日本人の台所感覚では、腐った卵なんてどこにあるんだよ?って感じですよね。古くなっちゃったかもしれないから用心して捨てようって事はあっても、ガチに腐敗して、割ったら悪臭がただよう卵なんてのは、ほとんど想像できません。強いて言うなら理科の実験でヒヨコを孵そうとして、死ごもりした卵をあきらめきれずに開けてみました・・・なんてときには、かぐわしかった記憶がありますが、食品の卵でそんな経験は皆無です。なので、私はイタリアとかブラジルの人って、わざわざ自宅で何日もかけて卵を腐敗させておいて、負け試合に備えているんだと思っていました。なんて凶暴で意地悪な奴らなんだと。スポーツマンシップは絵空事だなと。

 でも。違ったんですね・・・。外国では腐った卵は日常的だったんですね。なんなら新鮮な卵を投げつけたいのに、腐ったやつしか手元になかったのかもしれない。長年の疑問が解けました。本場のカルボナーラは危険かもしれないという新たなる疑問が浮かんじゃいましたけど。

なので、日本でもたまに、卵が投げつけられる事件が報道されますが、マスコミの皆さんは、表記に注意していただきたい。卵、腐ってませんから。
 「怒ったサポーターが、選手にむかって、卵かけご飯に最適な新鮮な殺菌卵を投げつける一幕も見られました」 みたいな感じで書いていただけると、ニュースの雰囲気も和らぎますので。

 写真は、国分寺農協の売店にあったウコッケイの卵。販売者の住所氏名まで記載された自信作。保存温度、保存期間まで明記されています。素晴らしいです。

 なお、卵の直販所などで、殺菌していない、ちょっとウンコのついた卵を買った場合、仮に冷蔵してあっても、そのまま食べてはいけません。まずは、冷蔵しながら持ち帰ること。冷蔵品を常温におくと結露します。卵が濡れて、サルモネラの卵内部への侵入が助長されます。結露を拭きとるか、冷蔵で持ち帰り、まずは60℃のお湯に5分間つけます。次に、やけどしないように40℃くらいのお湯をかけ流して、スポンジで奇麗に卵を洗浄します。洗い終わったら、表面を完璧に拭き、水分をなくし、そのまま冷蔵庫で保存。数日以内に食べるようにしましょう。

 卵かけご飯のために、延々と書く獣医。動物病院のブログとして、なんだかおかしな方向に向かっている気がしなくもありませんが、おかしな方向性を楽しんでいただければ本望です。

 それに、畜産物の安全を確保する事が獣医本来の存在意義ですからね。犬猫病院のブログとして、方向性はおかしくても、獣医の姿勢としては間違ってないってことで。

 それでは皆様。今日も一日、各人の持ち場にて奮闘いたしましょう。  って もう 夜だ 帰ろう(笑)

  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.03.09

●卵かけご飯のこと  前篇●

本日も お立ち寄りありがとうございます。

 火曜日とうってかわって気温が低いですね。皆さま風邪など召しませんように。


 さて。前回からの流れで、卵の話でございます。

 野生動物医学の研修先のフロリダの食料品店でのこと。
 ある日、卵をおいてあるコーナーで不審な動きをする女性を見かけました。最初は大して気にも留めませんでしたが、その後、卵売り場に行くたびに、必ずといっていいほど不審な動きをする女性がいるので、だんだん気になってきました。しかも、毎回、別の人物ですし、別の店でも、同じ動きをする人が卵売り場にいるのです。

 彼女たちは、山のように積んである卵のパックの全てに、ものすごいスピードで手を伸ばして何かをしているのですが、あまりに素早くて、最初は何をやっているのか、遠目には判りませんでした。

 面白いので、よく観察していると、どうやら、素早くパックを取り、蓋を開け、中を確認し、パックを閉じて積み荷の山にもどす・・という一連の動作を、目にもとまらぬ速さで繰り返しているのです。奥歯の横の加速装置のスイッチでも入れたのか?ってくらいのスピードで。効果音を入れるとしたら、北斗の拳の「あたたたたたたたたたたたたっ」ってのがぴったりな感じです。

 その所作には一切の無駄がなく、とくに腕や指の長い、スマートな黒人の女性なんかだと、一種の美しさを感じるほどでした。

 なるほど、何をやっているのかは判りました。しかし、何でそんなことをやっているのかはわかりません。作業をしているのは、店の人ではなく、あくまでも客のようです。謎です。

 そこで、北斗神拳の継承者たちが卵コーナーから去ったあと、彼女たちのチェックしていた卵のパックを調べてみることにしました。全米でそうなのかは知りませんが、私が通っていた数件のスーパーに流通していた卵のパックは、すべてボール紙制のもので、蓋をあけないと中の確認ができません。

 蓋をあけて驚きましたよ。
 効果音にするとすれば、「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃ・・」って感じ。
 もうね。卵ちゃん割れまくり。アヒルのジマイマもびっくりな光景です。

 要するにこういうことです。お客様のトランクをぶん投げて壊すのがアタリマエの空港職員に代表されるアメリカ人の社会においては、卵を割らずに流通させるスキルを持ち合わせた運送屋はいないってことで、さらには店頭に並べるときにも、卵を丁寧に扱おうなんてスーパー店員はいないらしく、消費者の手の届くところに並んだ卵のパックには、非常に高い割合で破損した卵が含まれいる。ということだったのです。

 「自分だけは損をしたくない」という強い魂をもったアメリカ人達は、少しでも破損が少ないパックを買おうと、必死で選別をしていたんですね。

 ところが、皆さんが寄ってたかって 「あたたたたたたたたたたたたっ」とやるもんですから、卵ちゃんたちは、さらに破損。

 しかも、アメリカ人という母集団の中におけるケンシロウとハート様の割合は1対9くらいなので、最終的には卵パックの山がほぼ壊滅状態となるわけです。

 美しいかに見えたその所作は、スピードだけを念頭におき、丁寧に扱うという概念を極限まで省いた末の、「無駄のない動き」 だったわけです。次にこのパックを手にとる人のこととか考えていたら、あの無駄のない美しい動きにはならないと・・・。

 やっぱアメリカ人にはかないません と感心しつつも、ここで疑問がもう一つ。

 なんで そんなに必死なの? ちょっとくらい割れてても、早めに食べちゃえばいいんじゃない? 

        前置きが長すぎですけど        つづく!
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.03.08

●ボランティア●

本日も お立ち寄りありがとうございます。

 今日は火曜日。皆さまご存知、休診日でございます。

 休診日とは言っても、アカプルコのビーチサイドで、あちらのお嬢さんに・・・ってパラソルのついたカクテルを注文したりしてるわけじゃぁありません。ちゃんと持ち場にて奮闘しておりますよ。

 今日の持ち場は、ニワトリ小屋。
 三鷹と国分寺の農協さんのお仕事で、近隣の農家さんを回って、ニワトリにワクチン接種をする日でございます。

 タイトルにボランティアと掲げておりますが、実費はもらっています。じゃぁ なんで恩着せがましくボランティアなどと書くのかというと、実態が限りなくボランティアだからです(笑) 

 それが証拠に、先代の担当獣医さんが亡くなって、農協さんが、あわてて近隣の動物病院に相談しまくったところ、そんな割のあわんことやってられっか と全て断られて、途方にくれた結果、めぐりめぐって私のところに依頼が来たという経緯があるのです。

 まぁね。ほかに獣医を雇っていない小さな動物病院としましてはですね。それこそ そんなことやってる暇はない! できれば心身を休めておきたい火曜日にわざわざやるこっちゃねぇ と断ってしまうべきだったんでしょうけどね。

 が・・・いまから30数年前。東京都知事に 大人になったらボランティアをする人になる と誓った経緯がありますのでね。割が合うか合わないかだけで決めちゃいかんのです。きっとあの日、太平洋に浮かぶ日本丸の甲板で同じ誓いをたてた仲間たちも、どこかの寒空の下で、歳甲斐もなく、一肌ぬいじゃってるに違いありません。

 それにね。農協さんとの間に入って私に連絡をくれたのが、東京都家畜保健衛生所の方なのです。その昔、高病原性鳥インフルエンザについて知識武装しようと思って、同所を訪問したところ、大変なお時間を割いて、完璧なレクチャーをしてくださいましてね。おかげで野鳥救護と鳥インフルエンザにまつわる私の不安や疑問が バキっ と解決したわけです。恩があるぞと。二つ返事でお引き受けした次第です。

 ただしまぁ・・なんというか。何事にもやってみないと見えてこない意義とういものがあるものでして。住宅街に残された農家さん(もともとこのあたりを開拓した功労者たちの末裔ですよね。地主さんたちって)の現状や、東京の農業についていろいろ勉強になりました。ワニとニワトリの往診する犬猫病院ってのもそうそうないだろうって、ネタにもなりますしね。

 日本の農家さんってのは偉いもんですよ。農林水産省ってのも偉い。こうやって、地道に食の安全を確保している方たちの努力の結果、日本では、高病原性鳥インフルエンザが早期に発見されて、すみやかに封じ込めできるんです。ウイルスが人に感染するチャンスもヒマも与えないんですね。

 海外のね。主として途上国あたりだとですね。ニワトリが禽舎で死にかけてるなんてのは当たり前だのクラッカーな光景で、誰も気にしない。なんなら死ぬまえに食べちゃおう。台所で解体しちゃおう。みたいなことになる。感染が成立するかしないかは運ですけど、とにかくウイルスには暴露されます。鳥型ウイルスが、人型ウイルスになるチャンスを与えてしまっているのです。
 日本だと、必ずいろんな病気の予防をしているから、ニワトリの様子がおかしいってのは 普通じゃない なんか特殊な病気が紛れ込んだかもしれない と認識され、きっちり向き合って対処がなされる。これは素晴らしいことなんです。

 病気予防のワクチンの接種は、必ずしも農家さんの経済性に貢献するわけでもなく、あくまでも社会への道義的責任というか、善意というか、好意でもって粛々とワクチン接種をしているわけです。 日本の農家さんは立派だと思います。

 まぁ、ここ数年は、ニワトリを飼育する農家さんもバタっと減ってきておりまして、接種件数も減少の一途をたどっています。住宅街にぽつんと農家があるわけですからね。ニワトリの騒音や匂いにまつわる苦情が農家さんに殺到するわけです。

 冷静に考えれば、農家さんが元から住んでた人で、私たちはあとから来た人たち・・・ なんですけどね。

 せっかくなので、次回もニワトリの話をふくらましてみましょう。題して、「卵かけご飯を科学する」 です。
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.02.29

●The Hurt Locker●

本日も お立ち寄りありがとうございます。

 今日は2月の29日でございます。ご存知4年に一度の閏年。だから何だ ということなんですけどね。
 
 今日を逃したら次は4年後までこの日付のブログは書けないから更新しなきゃ!とか、今回ハレー彗星を見逃したら、次は生きてるうちに見ることができない!とか。アイフォンが新型になったから買わなきゃ!とか。

 なんというか・・・いろいろね。  気にしないと楽ですよ。

 写真はご存知スワダの爪切りでございます。

 先日、指の関節が固まっているスコティッシュ・ホールドの爪切りをしたんですけどね。指が全部関節炎なもんだから、痛いわけですよ。さわると。

 ネコの爪切りするときって、指をちょっと伸ばし気味に、ニュッてして切るじゃないですか。あれができない。指を持たれただけで痛いから、おうちでは切れないわけです。

 病院でも、細心の注意を払って、痛くないようにうまいこと切るわけなんですけど、痛いのは指の関節だけじゃないから、看護師のスゴ技抱っこにも時間の限界があるんです。ガマンの限界が来るまでに全部の爪を切り終わらないといけない。でも、ふつうの切り方ができないから、いつもの調子でチャッチャと終わらない。

 慎重かつ細心かつスピーディに。

 その点、ギロチン式と違って、スワダの爪きりだと、爪を刃にくぐらせる作業がないぶん楽。サクっと切れるから、爪に圧迫がかからないので、切られたことに気がつかないので、いちいち身をよじったりしないぶん作業がはかどります。

 ところがね。看護師も長期熟成老齢個体ヴェテランになると、抱っこをしてる手の感覚だけで、猫のガマンの限界のタイムリミットがわかるらしいんですよ。それこそ秒単位で(笑)。

 「あと5秒で爆発します」

 もうね。冷たいというかね。落ち着きすぎた声色というかね。作業者への思いやりゼロというかね。額の汗とか絶対ふいてくれそうにない感じで、サラっと言ってのけるわけですよ。あと5秒とか。

 まぁね。こっちもスワダの爪切りという心強い味方がついてますからね。

 爆弾のタイマーが0・0・0・0・1になったところで、間一髪 ミッション完了です。

 今日も生きて家族のもとに帰るぞと。決意もあらたに各人の持ち場にて奮闘するわけです。
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.02.25

●猫の日●

本日も お立ち寄りありがとうございます。

 2月22日は猫の日です。

 既に今日は25日なんですけどね。

 22日に間に合わせようと、可愛い子猫の写真を撮るべく待ち構えていたのですが、うまいこといかず。うちは販売業者とおつきあいがないので、仔犬・仔猫の来院が少ないのが敗因です。

 うちの白黒も、日に日に可愛くない猫になっていくので大人の猫になってきたので、モデル戦力外通告をしたばかり。

 そうこうするうちに、日付は25日になってしまい、猫の日ネタをあきらめた矢先、可愛いのが来てくれました。
 短毛種の仔猫のたよりなぁ~い感じもいいですが、長毛種の仔猫は毛糸玉みたいで可愛いですなぁ。
 
 私も昔、ヒマラヤンを飼ってましたけどね。あれは可愛かったなぁ。吐いた毛玉を踏んづけたときの靴下のジワっとくる感触がいまでも鮮明に思い出されます。

 この子は男の子。健康で優しい猫に育ってほしいものです。とくに 優しい のあたりが重要です。神様!次にこの子に会う時に、触れる猫でいてくれますように。

 それにしても、仔猫の撮影はむずかしいです。もっとフォーカススピードの速いデジカメに替えないとついていけません。
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2016.02.23

●猫の日!  昨日は●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 ネコの国の大使 マドモアゼルフランソワーズは猫の日に何かイベントとかなさったんでしょうかね。猫耳とかつけてチョコレートケーキでも食べてたのかな。

 で・・猫の日。

 なんか雑務に追いまくられているうちに、一日ずれてしまいましたが、猫の日にちなんで、今日は猫ネタ。

 写真は猫の爪切りの残骸です。

 いわゆる巻き爪ってやつは、ギロチン式なんかじゃ切れません。ご存知スワダの爪切りが大活躍でございます。

 巻き爪ってご存知ですよね?

 老齢や関節痛など、何等かの理由で爪とぎができなくなった猫の爪が伸びすぎちゃうヤツ。

 巻き爪の行きつく先は、「パッドに刺さって化膿して痛みで足をひきずる」という症状になります。

 切ってあげる瞬間に、痛みのあまり「うぎゃっ」と叫ぶ猫。  こっちも「ひええええええええええ」ってなります。

 私は基本的に手が器用なので、刺さった爪がグラっとして痛みが走ることのないように、ぶらさずに サクっ スパっと切るように心がけています。

 それでも、刺さった巻き爪を見ると心が痛みます。

 血がボタボタボタってなると余計に心が折れそうになります。

 写真の左上のほうに写ってる1本は、巻き爪のさらに上をいく究極の巻き爪です。もうね。初めてみましたよ。巻き爪の向こう側。

 土下座の向こう側っていうのが映画でありましたけど、巻き爪の向こう側ってのも壮絶ですよ。

 爪が巻く。パッドにささる。さらに伸びて巻いてパッドに深く食い込み、さらにさらに巻いて伸びてパッドを突き抜け、一周まわって もう一回パッドにささる・・・っていうね。

 突き抜けられた上に、内部で太い爪が押し広げて来るもんだから、パッドが広範囲に壊死。

 爪と壊死組織を除去してやったところ、指先が完全に欠損しているのがわかり、腱の残骸がひょろろ~んって垂れ下がりました。

 悪夢です。

 爪を切る前の手の写真もあるんですけどね。

 カナちゃんに相談したら、さすがにそれはお見せしないほうが・・・ってなりました。

 バカで呑気な当ブログの趣旨にそぐわない映像なので自粛。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。