2019.04.30

●最後と最初●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 平成最後の患者は、顎が腐ったカンガルー でした。

 まぁ 私らしいっちゃ 私らしい。

 で。明日。 最初の患者さんは・・・

 下半身不随なのに妊娠した猫 を予定しておりますが、ワレこそは 新時代一番乗りという方がいらっしゃいましたら 下半身不随なのに妊娠した猫 より早くかけつけてください。お待ちしております。

 そういえば、一人称 ワレ のマドモアゼルフランソワーズが猫ちゃんをつれてくるっておっしゃってましたかね。

 アイフォンの相談があるから丁度いいや。

 おまちしております。

 新時代も 変わることなく 各人の持ち場にて奮闘いたしましょう! 皆様のご多幸をお祈りいたします。

 

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2019.04.06

●ペストコントロール●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 そして・・・知らぬ間に4月。

 桜もまっさかりです。暖かいので、今年はいいお花見シーズンを過ごせますね。

 写真は、三鷹台の花屋さんからいただいた、スモークチキン。 イタリアン・アルプスの氷河から発掘されたアイス・マンとそっくりだったので記念撮影。

 アイスマンとは、5300年前に亡くなった40代男性で、大変保存状態の良い、最古のミイラです。バルキルマーの事ではありません。

 で・・このチキン。アイスマンの故郷イタリアにちなんで、パスタの具にしました。「春キャベツとアイスマンのペペロンチーノ テラローザ風」という命名に、娘から「アイスマンはやめて・・」という若干の苦情がありましたが、おいしくいただきました。
 
 こういう仕事をしていると、なかなか気づきにくいですが、世の中には、生き物が大嫌いという方が沢山います。

 とくに、このまな板にのってるトリさんなんてのは、意外にも嫌いな人が多いです。

 鳥の造形や動きや目つきが気持ち悪い、ホコリっぽそうで嫌 というのが嫌いな人の意見。 たしかにこのスモークチキンを見る限り、鳥の造形ってのは羽毛のモコモコに助けられなければ、決してプリティなものではないと改めて思いました。

 博物学的諸事情により頭の羽毛を全部むしりとったフクロウなんてのは、ザ・フライのモンスターそっくりのグロさです。

 毛のない犬や猫の品種があっても、鳥でフェザーレスの品種がないのは、やっぱりキモイからなんでしょう(まぁ 仮につくっても、寒くて死んじゃいますけどね)。

 スモークチキンからのむりくりな展開ですが、要するに、鳥が嫌だという人は沢山いるという話がしたかったんです。

 鳥か嫌い!気持ち悪い!そういう感情を持つことは、悪いことでもなんでもなく、個人の自由だと思います。

 その反対に、愛鳥家が心優しくて特別偉いってわけでもないと思います。

 頭やら肩やらにのられまくって、全身ハトだらけになりながら餌をやるのって、けっこう楽しいですけど、集まってきた鳩の群れを見てゾっとして鳥肌たててる人もいることを想像しないといけません。

 同じ場所で繰り返し餌やりをする場合、クリプトコッカスやオウム病リケッチアの汚染についても思い至らないといけません。

 公共の場での餌やりは、廃棄物処理法に違反するかもしれないってことにも注意を払うべきです。

 動物の命を守ってるんだ!という、ちょっと見、絶対正義であるかのような行為も、迷惑する人がいるならば、襟元をただす必要があると思います。

 一方で、動物による何等かの被害を感じた人は、自分ひとりで思い詰めて行動に出る前に、誰かに相談しましょう。

 個人的な問題だと、受益者負担の原則から、自治体は対応しずらいと思いますので、専門業者を検索してみてください。

 法律上の手続きから、動物福祉的配慮まで、全部やってくれますから。(おそらくですが、駆除の正当性の吟味もしてくれると思います)

 自分でやっちまおうとすると、動愛法違反 鳥獣保護法違反 毒劇法違反のトリプルでお縄になる可能性がある上、さらし者になって生活の基盤を失ってしまいます。(注:毒劇法には抵触しないかもしれませんがいちおうのせときました)

 ちゃんとした手順を踏まないと、もともと被害者だったのに加害者になってしまいますからね。悩んだらまずプロに相談してください。
 
   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2019.03.30

●はやにえ●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 知らぬ間に3月。

 去年のブログの記事では、冬眠していたリクガメが起きただの、梅の香りが沈丁花にかき消されただのと、ちょいちょい春の便りを載せていましたが、今日に至ってはもう桜も盛りになってしまって、今更感が否めません。

 なので、ちょいと変わった春の風景をお送りします。

 突然ですが。
 梅にウグイスの組み合わせは、インスタ映えを狙う皆さんの恰好のお題だと思います。

 でも、一般の方が観ている「梅にやってきたウグイス」は、ほとんどがメジロだったりします。ウグイス色だからきっとウグイスだろうって解釈なんでしょうが、メジロとウグイスは分類上はたいそうかけ離れた種類です。山手線でいったら8駅くらい離れてます。アップロードの前に必ず図鑑で確認することをお勧めします。

 話をもどして・・写真の梅は、我が家の庭の梅。

 よく見ると、枝になんか刺さってます。

 これは、となりの家のアンテナの上で、冬のあいだじゅうキチキチキチキチキチキチキチキチキキチ鳴いていたモズの仕業です。 いわゆるモズのはやにえってやつですね。

 ただ、素材がおもしろい。

 モズのはやにえの画像を検索していただくとわかりますが、モズのはやにえの材料は、カエル トカゲ ちっちゃいヘビ ネズミ いろんな昆虫 小鳥がほとんどなんですが、うちのはやにえは けっこうなレアものです。

 これ・・クロデメキンです。

 なぜ デメキン??

 黒幕は うちの娘です。

 我が家のデメキンハンターが縁日で掬ってきたデメキンが金魚ヘルペスにやられて、お父さんがえらい目にあった話を昨年秋に書きましたが、そのときに庭に安置したご遺体を、どうやって見つけたのか、モズがひろってきて、はやにえにした様です。

 鳥ってのは、けっこう嗅覚がするどいんでしょうかね。

 草むしりをして土を広範囲に掘り起こしたあとなんかには、どこからともなくジョウビタキやツグミがやってきて、掘り起こされた土から小さな生き物を引っ張り出して食べ始めます。あれはきっと掘り起こされた土の匂いや虫の匂いに反応してるんだと思います。

 モズくんも、庭に安置された金魚の匂いにつられてやってきた可能性があります。うっそうとしたミョウガの茂みの奥に安置したものが、屋根の上から見えるとは思えませんので。

 ついでに、亡くなった金魚を埋葬するのに、なんで埋めないの?という質問にお答えしときます。

 生物の遺体は、地中に深く埋めてしまうよりも、地表付近に安置したほうが分解が早いんです。

 それは良いことを聞いたと思って、犯罪に応用しないでくださいね。人体を浅く埋めた場合は、犬やタヌキに掘り起こされて、部品が遠くに運ばれて、かえって発見が早まるというデメリットがありますから!(BGMはレットイットビーで←角川映画 悪霊島のCMおぼえてます?)

 いきおいでやっちまったとき、隠そうと考えるよりも、手配される前に自首するほうがもろもろ良い結果につながると思います。

 犯罪は・・手配される前に自首。これ大事。防犯カメラの映像が照合されるまでの時間は短いです。
 
 心当たりのある方は いそいで警察へGO!

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2019.02.23

●猫の日●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 昨日2月22日は、 にぃ~にぃ~にぃ~ でネコの日。それにあわせて猫ネタでブログを更新しようと思ってましたが、今晩 娘に何食べさせようかなぁとか考えていたら、知らぬ間に一日たってしまいました。

 翌2月23日は、 にぃ~にぃ~みぃ~ なんだから、猫の日っちゃ猫の日と言えなくもない。

 そもそも にぃ~にぃ~にぃ~ だったら、ヤマガラの日だっていいわけで。ひな祭りだって猫の日っちゃ猫の日ですよ。みぃみぃ だもの。 

 この際てきとーでいいんじゃないかということで 猫の話をします。

 写真は、自宅の玄関の前につけられた足跡。

 ある朝、娘が息を弾ませながら「お父さん!猫の足跡がいっぱいついてて可愛いよ!!」と教えてくれました。

 しかし、よく見るとこの足跡、蹠球(しょきゅう)によってできる猫の足跡とは明らかに形が違います。(ちなみに、蹠球とは俗にいう肉球のことで、我が家では蹠球(しょきゅう)あるいはパッドと呼ぶように極めて厳格に娘をしつけております。

 で!この足跡。なんか、指の跡がくっきりしすぎ。

 これはたぶん奴の足跡です。

 我が家の庭には、いろんな生き物がいますからね。奴が出入りするようになるとみんなに危険が及びます。

 冬眠中のリクガメを掘り起こされてゴリゴリと齧られた日には、地獄絵図になります。足を半分かじり取られた亀ちゃんの症例の写真がありますが、スプラッタなので公開は自粛しときます。

 オオムラサキの越冬幼虫もやられちゃうし。

 夏のカブトムシ特設ステージも、フルーツごともってかれるでしょうし、2階によじ登ってきてヴェランダ菜園のトマトが食い荒らされる可能性だってあります。

 足跡は、やや小ぶりなので、へたすると家族連れの可能性もあり。近所で殖えているのだとしたら、やっかいです。 

 やっかい・・・ 罪はないが厄介。

 トキオと加藤先生が来てくれたらいいな!! 

 食べちゃってください。可哀想だとかいって責めませんから。
 
 ただし。 絶対 不味いと思うけど(ハクビシンは美味いらしいんですけどね。奴は不味いらしいです)。

 トレイルカメラ(野生動物を撮影する無人カメラ)をしかけて、実態を調査せねば。空き巣とかストーカーとか地縛霊とか写ってたら嫌だな・・・。我が家の庭だと地縛霊の大半は無数の金魚か。 インスタ映えする綺麗な写真になったりして。

 さてと。今日はマユちゃんがカレーに一票。カナちゃんがオムライスに一票だったので、中をとってドライカレーのオムライスでも作りますかね。最近は、アイディアを募集しないと晩飯のメニューがおもいつきません。

 急いで帰らねば。

  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2019.02.07

2月7日

本日もお立ち寄りありがとうございます。

豚コレラが猛威をふるっております。関係者の方々の心中お察しいたします。
 農林省や自治体の方は、徹夜仕事の連日だと思います。インフルエンザも流行っているというのに。ご自愛ください。
 養豚農家の方に至っては、死活問題だと思います。風評もふくめて辛い毎日だと思います。大きなくくりでは同業の仲間ですから、他人事には思えません。がんばって難局を乗り切ってください。

 豚コレラは人に移りません。市販されている豚肉は安全が確認されたものが店頭にならんでいます。問題ありません。仮に病気の豚を食べたって大丈夫ですが、店頭に並ばないので食べてあげられません。できることなら病豚を買い取って食べてあげたいくらいですが、流通することはないので残念です。

 私はしばらく、国産豚を食べまくろうと思います。鍋も国産豚。週に一度は生姜焼き。片付けがめんどくさいけど国産豚でトンカツもつくります。サラダにもゆで豚のせます。

 国内の生産者を国民が買い支えないといけません。

 写真は、先日の風の強い日にどこかに飛ばされて行ってしまったゴミバケツの蓋。

 周辺を必死に探したのですがみつからず、困っておりましたら、どなたかが回収してくださっていたらしく、朝、病院のドアの前にそっと置いて行ってくださいました。本当にありがとうございます。 

 蓋といっしょに写っているのは、ママ友にいただいた恵方巻。ゴミ箱の蓋と一緒に並べるのもいかがなものかと思いますが、ありがとうついでにツーショット。

 今年は、息をしながら 味わって 味噌汁といっしょにいただきました(昨年のブログ記事を参照してください。えんえんと下のほうにあります)。

 今回は、願い事もしませんでした。食べ物を無駄に廃棄する罰当たりな行為と相殺されて、全国的に恵方巻のご利益はなくなっていると思うので。

 尚、勘のいい方はお気づきかと思いますが、求人の広告を引き下げました。ありがたいことに、良いご縁がみつかりました。いずれ、皆様にご紹介させていただきますので、よろしくお願いします。

  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター 
  いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2019.01.31

求人募集

本日もお立ち寄りありがとうございます。
久々の更新です。

更新ついでに訂正をば。
前回、清水寺の住職さんが今年の漢字を・・って書いてしまいましたが、なななんと あれは有名な書家の方で、住職さんじゃないそうですね。

清水寺は場所を貸してるだけなのですね。知りませんでした。お詫びと訂正をさせていただきます。

さて。はやくも1月が終わりました。
もうすぐ節分です。

昨年のブログで、「娘と、おおまじめに恵方巻にチャレンジしたら、えらいめにあった」という記事を書きましたが、あまりにも辛い経験だったので、今年はルールを無視して、お茶でも飲みながら楽しく食べることにしようと決めました。

そんな折、昨年のブログのネタ元となった立派な恵方巻を買ってきてくれたママ友から、「先生!もうすぐ節分だから今年も恵方巻買っていくね!」という電話をいただきました。

「ありがとうございます!あまりに立派な海苔巻きだったため、昨年、親子で窒息しそうになったので、今年はふつうに食べます!」ってお伝えしました。今年は味わって食べます。立派な高級海苔巻きなので楽しみです。

そうそう! ついに、求人の広告に反応がありました。

エキゾチックペットを診る動物病院を探していたら、うちのHPにいきあたり、求人の広告をみて、応募してみようということになったそうです。

電話の雰囲気では まずまず感じのいい方でした。

彼女が専門学校時代に習った先生というのが、私の爬虫類系の昔なじみの男で(このまえ、マツコの知らない世界に出ていておどろいた!)、明日の面接は、そこそこ楽しくできそうです。このまま決まっちまうといいんだけどな・・。

そうそう。今日は ものすごくめでたいことがありました。

知り合いの動物園獣医師が、産休で帰郷し、実家の縁の下に籠っていたのですが、今日、無事に元気な子供が生まれたそうです。

産まれた赤ん坊の両親は、夫婦ともに獣医師で、私とは野生動物関係で仲良くしている間柄。絵に描いたようなナイスなカップルで、旦那は男前で優しくて誠実な人物。嫁は美人で性格よくてしっかり者で丈夫で骨太。

おそらくこのあと間髪入れずに追加で何人か仕込むと思いますが、家族で力をあわせて、幸せに暮らしていってほしいものです。

さて!
今日は、これから雪になるかもしれないそうですが。

みなさん 寒さとお足元に気を付けて、悪天候を乗り切ってくださいませ。


  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター 
  いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2019.01.10

1月10日

2019年も早10日が過ぎました。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。
本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年の漢字は、「災」でしたね。
縁起でもない文字を選んだものだと思っておりましたいら、年始早々に地震が・・・。

この、今年の漢字 ってやつ。

発表に際して、毎回、清水寺の住職さんが登場するので、何かの宗教行事かと思っておりましたら、ぜんぜん違うんですね。

もともと興味がない上に、年末の忙しい時に視界の片隅をよぎっていくだけの光景だったので、よく調べもしませんでしたが、漢字なんじゃら協会のキャンペーンにすぎないという。さっき初めて知りました。

だったらもう、もっと明るい文字を選べよといいたい。言霊って言うじゃないですか。

年末のいよいよの時期になって、清水寺という神聖な場所から、「災」だなんていう言葉を発信しちゃった日にゃ、日本中が不運になりそうな気がします。

なんかこう 幸せな気持ちになれたり、やる気が出たりするようなチョイスをお願いしたい。

 2019年が皆様にとって良い一年でありますように!

 看護師・・・・みつからないんですけど。涙


  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター 
  いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.12.27

●走れ正直者●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 あっというまに12月も終わりに近づき、年の瀬って感じになってまいりました。

 皆様いそがしく飛び回っておられることと思いますが、明日からは猛烈な寒波が襲ってくるそうですから、防寒対策を怠りなきよう!そして、朝夕の凍結に備えて、お足元に気をつけて外出してくださいませ。

 小鳥や小動物や老齢動物を飼育している方は、朝夕の冷え込みに十分注意してください。

 人間様が布団に入って寒さを感じない間に、人知れず動物達は寒さと闘っているのです。

 写真は、今年いちばん驚いた拾い物。

 一見、いただきもののような体で病院のドア前に安置されておりましたが、メッセージがなにも添付されていなかったので、モノがモノだけに速攻で交番に届けさせていただきました。

 朝一で動物病院の前に放置されるものといえば、昔から段ボールに入った子犬や子猫と相場が決まっておりますが、写真のブツは前代未聞のブツでした。

 詳細は伏せますが、総重量数キログラムのブツを交番に持ち込むやいなや、まぁお巡りさんの嫌がること嫌がること。

 こんなの数えられませんよぉ~。って持ち込んだ私が悪いみたいな。

 そんなら目の前の施設で機械にぶちこんでもらって数えたらいいじゃないですか。いざとなったら拳銃ひとつで飛び込んでライフルもった強盗相手に体を張る人たちなんだから、目の前の施設だってそのくらいおやすい御用でやってくれるんじゃないですか?
 
 って気軽に提案したら、そんな簡単なことじゃない!って言われました(涙)。 なんで怒られるんだよぉぉぉぉ。

 西城秀樹もおちおち走れない事態ですわ。

 結局、最終的にどうなったかの情報を含めて、一切合切の関係を放棄することで、私はその場から解放されました。 あたしゃ忙しいですからね。手続きにかかる時間は未定です!とか言われた日には速攻で放棄しますわ。無条件で。

 もしも・・・・ もしもですが、おつりの両替が大変でしょうからと気をつかってくださった飼い主さんからのお届けものだった場合、ごめんなさい。

 だって メッセージがなかったんだもの。涙。

 
   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.12.05

●初夏のような師走●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 12月だというのに なま暖かいですね。

 冬眠体制に入っていた我が家のリクガメたちがゴソゴソ起きだして、勝手にどこかに散歩にでかけてしまい、1頭が行方不明になってしまいました。庭のどこかにいると思いますが、早く回収しないと次の寒さで遭難です。

 一方、来春に羽化を予定していたカラスアゲハの蛹がかえってしまうというハプニングも起きました。屋外に蛹を保管していたので、普通は春になって食草も芽吹き、花も咲いたころに羽化するのですが、何を間違えたのやら気の毒に。

 夕べは、エンマコオロギが鳴いていましたし、今朝は車にひかれたオオカマキリの遺体をみました。秋のうちに全部寿命が来るものと思っていましたが、12月になっても生き延びている個体がいるんですね。寒さで動けなくなってるだけで、実は生きていたという。

 そして、奴らも動き出しました。

 さっき、マユちゃんが、驚いたときのウサギのようなステップで、パタパタパタパタって足おとを響かせて、何かをよけまくっていたので、どうしたのかと思ったら、蚊にさされそうになって、必死にスェイバックしていたようです。

 そして、勇気を出して仕留めた蚊が異常に大きかったらしく、カナちゃんと二人して盛り上がってました。

 大の虫嫌いの二人にしてはよく頑張りました!

 この調子だと、フィラリアの予防薬は12月中旬あるいは下旬に飲ませておいたほうがよさそうです。

 この暖かさで、フィラリアを持った蚊に刺されると、春までにミクロフィラリアが成虫になってしまいます。

 年末にいっぺんブロックしておいたほうがいいでしょう。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.11.29

●はなもげら●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 免許の更新のため、府中の試験場にいってきました。

 思い出しただけでも涙が出る 悲しいエピソードの交通違反履歴があったため、講習会は2時間。

 いまの私にとって休診日にトータル3時間もの時間の浪費は非常につらいものがあるのですが、気持ちを静めるために、帰り道は武蔵野公園の林をつっきって車の停めてあるところまでもどりました。 いい感じの秋の雑木林です。

 なんか生き物いないかなと・・・いつもの癖であたりを観察していると、100mほど先に、モグラの塚のようなものを発見!

 ただし、明らかにデカイ! 普通のモグラ塚の倍はありそう。いつもより余計に盛ってます。

 さては新手の外来モグラの出現か??と 喜び勇んで駆け寄る私。不思議なことに、こういうときだけは元気がでますね。

 よぉ~く観察するまでもなく 一目で正体が判明。

 塚の正体は、オオカブトムシの糞の山でした。

 外国産の巨大なカブトムシを、世間ではざっくりとオオカブトムシと呼んでますが、南米のヘラクレスオオカブトやゾウカブト、アジアのアトラスオオカブトやコーカサスオオカブトなど、いろんな種類がいます。

 南米では、ゾウカブトが飛んできて街灯にぶつかると、街灯が割れちゃうから金網で保護するんだ。という都市伝説があるくらい大きな虫たちです。バイクにのってるときに顔にぶつかったら怖いですね。

 植物検疫法が緩和されて、外国産のカブトムシの飼育が可能になってから早20年。いまではペットとしてあたりまえのように、オオカブトムシの仲間が飼育されています。

 ただし、こいつらを飼育するのって、ちょっとした土木作業の様相を呈します。すごい肉体労働です。

 ママ・カブトは一度に50-100個くらい卵を産み、孵った幼虫が、3年くらいかけて、1匹あたり十数リットルから数十リットルの餌(見た目はそのまんま土のような、特殊な腐植用土)を食べて、同量の糞を出します。

 幼虫は最終的には手のひらいっぱいの巨大なイモムシになりますが、こんなものをカナちゃんの手に乗せたらきっと気絶するか一生嫌われるだろうなってくらい、インパクトのある巨大な生き物です。狂暴な種類だと咬まれて結構な怪我になって血が出るし。

 この巨大イモムシを大量に育てる過程で、大量の糞が廃棄物として発生します。飼い主は、定期的に何十リットルもの新しい土といれかえ、いらなくなった糞を処分しなければなりません。 ほんとに農作業とか土木作業と変わりない作業です。

 ガーデニングをやっていらっしゃる方はご存じだと思いますけど、不要になった土って、市のごみ処理の対象ではありません。別途、有料の処理サービスを利用しないといけません。私も、病院前の花壇を維持するのに、毎回、大量の残土を処理せねばならず、けっこう苦労しています。

 オオカブトを飼育している人も、糞はそのまんま土と同じ様な物体なので、ゴミにだせずに頭を悩ませます。

 そして行われるのが、雑木林の木の根元への投棄。

 文字通り、土に返すってことなのでしょう。

 テレビや冷蔵庫の不法投棄とかわらない行為ですが、綺麗に土にかえるんだし、肥料になるんだから文句ないだろうという発想で、けっこう普通に行われています。

 うるさいことを言ってしまえば、都立公園へのごみの不法投棄はふつうに犯罪です。

 環境問題 という視点で考えると、外国のカブトムシの腸内細菌が日本の土壌に混入するミクロの汚染問題が発生するとか、カブトムシにたかっている外国産のダニが日本の在来のカブトムシやクワガタに寄生して被害が出てしまうといった問題もあるそうです。

 外国の巨大昆虫にたかるダニは、それにあわせてゴツいダニであるらしく、日本産の小さい虫にたかると、足がとれちゃうくらいのダメージがあるとかないとか。

 また、廃棄した土の中にまじって取りこぼしの幼虫がいた場合、それがそのまま日本に帰化して外来種の問題を引き起こす という説もあります。熱帯のオオカブトが日本の気候に順応することは考えられませんが、温帯のクワガタなどでは起こりうる問題だそうです。

 個人的には、いのかしら公園でヘラクレスオオカブトが採れたり、軽井沢でヨーロッパミヤマクワガタが採れたら楽しいなと思いますが、カタイことをいえば、外国産昆虫の飼育用土を屋外に捨てるのは ダメ!って話になります。

 これから巨大カブトムシを飼育しようかと思っている方は、残土の処理方法も飼育計画に入れた上で、手のひらサイズのイモムシちゃんたちと向き合ってみてください。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。