2018.07.11

●ケモノ警報●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 7月にはいってすぐ更新しようと思っていたのに。七夕の開業記念日もあっというまに過ぎてしまいました。

 当院では、開業記念日に毎年恒例のセレモニーを行っています。

 亡くなった動物たちへの追悼の気持ちを込めて、黙祷をささげ、これから一年、新たな気持ちで頑張って沢山の命を救いましょうと看護師のみんなと誓いあう、ただそれだけのことなんですが、かれこれ18年続けています。

 去年は、黙祷と誓いの儀は行ったものの、スタッフへの感謝の食事会ができませんでした。マユちゃんの歓迎会でもあったはずなのに・・・。

 今年にいたっては、黙祷をしようしようと言いつつ私がボケボケで夕方になってしまい、カナちゃんに2回も促されてようやく閉院ぎりぎりでまにあいました。

 18年つづけていた恒例行事を危うく飛ばすところでしたね。カナちゃんありがとー。

 今年は食事会もちゃんとやろうね。 

 写真は、謎の野生動物に襲われて、食いちぎられたネコちゃんのしっぽ。

 事件現場では、ハクビシンかアライグマと思われる野生動物が、猫を襲撃する事件が多発しているとのこと。

 本来、野生動物というものは警戒心が強いため、人やペットが咬まれる事例は極めて稀なはずですが、現場付近の住民の証言では、かなり積極的におそいかかってきている様子。

 そのうち、通行人が咬まれるかもしれません。

 野生動物による咬傷事故は、犬猫の比ではない危険性をはらんでいます。

 先日、ダニ媒介性のウイルス病が猫に感染し、その猫が人を咬み、咬まれた人がなくなってしまった事例が報告されています。 今回の事故は、相手が野生動物なので、今後も十分な警戒が必要かと思われます。

 人やペットが野生動物に咬まれた場合、すみやかに獣医師や医師に状況を申告し、適切な処置や指示をうけましょう。

 東京都の人口密集地で増殖をつづけているアライグマ・ハクビシン・タヌキについては、もはや待ったなしのところまで来ていると私は感じています。なんらかの重大感染症がアウトブレイクする前に、強い心をもって駆除の方向に舵をきらないといけないかもしれません。

 動物愛護の観点はら言えば、断腸の思いで・・ということになりますが、行政は痛みを背負う覚悟をもち、市民は感情論で行政を非難しない。公衆衛生上の理想社会を第一の目標に、ゆずりあっていきたいものです。


   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.06.30

●台風7号●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 6月がおわっちゃいました!! 

 1日の次が30日って・・・ブログの更新ぺースがまずいことになってますね。

 いよいよ明日から7月です。夏ですね。

 梅雨の空を飛び越して、友人が南の島の赴任地に旅立っていきました。

 獣医で国立公園のレンジャー。憧れますね。

 昨今、獣医が野生動物の仕事をやりたい!なんていうと、そもそも食い扶持がないジャンルなものですから、動物園の獣医くらいしか満足のいく就職先がない。

 そんな中、とびぬけて学力が高くて、さらに運もいいと、国立公園の大自然を舞台に、野生動物保護の仕事ができてしまうという。仕事につける確率の低さでいったら、プロボクサーがファイトマネーで飯が食えるくらいのレア度じゃないでしょうかね。

 頑張って充実した毎日を過ごしてもらいたいものです。

 満月に見送られて台風7号に迎えられるっていう派手な舞台もそろいましたからね。初日で何かやらかしてくれるとネタになるので、是非お願いしたいところです。


 写真は、そんな幸せな人たちが整備した法律のおかげで超めんどくさい講習会に縛られる私。の図。

 もう いいかげん 獣医師は免除にしてほしいですね。常日頃からこういったテーマを社会にむけて啓蒙・発信している我々が、なんで3時間も拘束されておとなしく聞く側にまわらにゃならんのか。

 でも・・ 今回の講師も豪華でしたよ。東大あらため加計学園の吉川教授。めちゃくちゃダンディな教授です。

 さらには白木みのるさん?あれ?リン・ユーチュンさん? ついに芸能人を呼んだか東京都!

 当たり前田のクラッカーも言わないし、I will always love youも歌わないので、おかしいなと思っていたら、こちらも大学の先生でした。 

 似てる! で盛り上がったので そこそこ楽しかったです。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.06.01

●6月の花嫁●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 6月になりました!! 

 6月に結婚式をあげた花嫁は、「旦那が毎日卵かけ御飯で夕食を〆るせいで、料理のし甲斐のない家庭となる」という古くからの言い伝えがあるそうですが、6月は食中毒が多くなる季節なので、この6月に嫁に行く方は卵選びにはくれぐれもご注意ください。

 というわけで、6月10日を臨時休診とさせていただきます。 

 看護師がお留守番してますので、継続の薬やフードはお出しできます。

 写真は、ヨウムに齧られて破壊されたヨウム・デザインの携帯ケース。(よくこんなのが売ってましたね。というかよくこんなの見つけましたね。)

 ヨウムっていう中型インコがいるんですが(写真中のイラストの子)、頭が良すぎの、メンタル繊細すぎで、普通の鳥のように飼育されることに耐えられない難儀な生き物です。

 結果として、自傷行為に走るか、攻撃性が出るか、破壊活動が盛んになるか、絶叫が止まらなくなるか。

 けっこう飼育放棄が多いです。

 携帯の持ち主の飼い主さんは、広い一部屋を明け渡し、最大限の時間を共有し、新築の家がボロボロにされることを容認することによって、ヨウムの自傷を食い止めることができました。

 愛と寛容と忍耐とたゆまぬ努力を要する、万民向けじゃないペットです。
 
   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.05.31

●噛んだだけ●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 5月最終日。梅雨も間近に迫ってまいりました。

 皆様、皮膚やら耳やら指の間の炎症にご注意を。

 外出後に足を洗う方は、そのあとの乾燥を徹底するようにしてください。生乾きのまま放置すると炎症がおきます。犬の徹底乾燥は、家庭用ドライヤーよりも、ペット用の強力ブロアーがおすすめです。

 話はかわりますが、わたくし、先日、MRIで脳の検査を受けてまいりました。

 飼い主さんに説明しているときに、咄嗟に単語が出てこなかったり、ロレツがまわらなかったりしたことが何回かあって、なんか嫌だなぁと思っていた矢先、左の下唇がしびれてきて、それが左顔面から左側頭部にまで広がったので、こりゃヤバイかも。って思って、あわてて脳神経外科に行ってきました。

 MRIってのはすごいですね。頭をパカってしないのに、脳味噌の隅々まで観察できるんですから。レクター博士もびっくりのマシンです。

 結論から言って、お医者様があきれるほど何も異常はありませんでした。

 いわゆる「この歳になると、隠れ脳梗塞やら、昔の出血の跡やら、脳の萎縮やらが見つかるから、医者に指摘されてもあまり落ち込むなよ!」ってな異常のカケラもみつからず。

 ちょっと苦笑い気味な担当医に、「だって!母親が脳梗塞やってるし、このまえロレツまわらなくなって焦ったんだもん!」と必死に訴えてみましたが、「いいから とりあえず10年は安心して暮らせ!」と言われました。

 ここでひとつ収穫。

 ロレツがまわらない。っていう表現は、しゃべってる本人が、自分が単語を言いそこなってることに気が付いていない状態を指すのだそうです。

 言った本人がロレツがまわってないことを自覚せずに、まわりの人が「え?今 なんて言ったの?」って聞き返してくる状態。

 私の場合、言いそこなって、あわてて言い直しているわけですが、脳にトラブルが発生してロレツがまわらない場合は、本人は決して言い直したりしないし、言い直せないのだそうです。

 つまり、今回、私を恐怖のどん底に陥れた「まずい! 俺、ロレツがまわってないかも!?」っていう懸念は、「単にセリフを噛んだだけ」というマヌケな出来事に過ぎなかったということでございました。

 うれしいやら こっぱずかしいやら。

 じゃぁ 何で左がマヒしたり、単語が出てこなかったりしたんだよ!って思うわけですが、脳味噌の萎縮もないそうですから、脳のせいじゃないみたい。

 やっぱあれですかね。 過労とかストレス?
 
 なんか 月並みなオチですな。つまらん。

 写真は、夏の花を少しずつ導入中の病院前ガーデン。

 写真が横倒しになってるのは、脳のせいじゃなくて単に直すのがめんどくさいからです(笑)

 ほんとは待機中のナス科君たちと全て入れ替えたいんですが、ビオラが思ったより頑張ってくれて、初の6月突入という事態になっております。

 次に日照りが来たら一斉にアウトだと思うので、全部入れ替えます。

 去年の今頃は、まったく花の入れ替えができなかったなぁ・・と 怒涛の一年を振り返る私。

 そりゃ 麻痺もすりゃぁ単語も出てこないわな。

 と言ういわけで今日もがんばります。

   以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.05.18

●花の命は短くて●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 気が付くと、5月も後半戦に。

 そして西城秀樹さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 昭和のスターが次々と鬼籍に入られるニュースに接すると、なんだか寂しいやら、恐ろしいやら。自分が元気でいられる残り時間を考えてしまいます。

 まわりを見渡せば、軒並み平成生まれ。

 昭和も終わったな・・・・と思っていたら、もうすぐ平成ですら無くなってしまうし。

 写真は、病院前ガーデンのビオラに卵をうみつけようとしているツマグロヒョウモンという蝶です。

 幼虫はスミレを食べて育ちますので、ビオラにもたかってしまい、気が付くと丸坊主にされていたりします。

 メスの前翅の先っちょが黒いからツマグロ。ヒョウモンというのはヒョウ柄という意味で、この仲間の蝶はおしなべてオレンジに黒い斑点があります。

 昨今、自然界に見慣れない事象が起こると、なんでもかんでも地球温暖化が原因という風潮がありますが、このツマグロヒョウモンも、地球温暖化によって分布が北上しているといわれています。

 実際、私が大学生のころまでは、この蝶は、関西以西から九州沖縄方面の、温暖な地域にしか見られませんでした。

 ある時期から、東京でもごくあたりまえにみられるようになり、派手な目立つ蝶という意味では最も個体数の多い蝶にすらなっています。

 漫画家のやくみつる先生は、この蝶の分布拡大を歓迎しておられ、東京にいながらにしてこの素敵な蝶が見られるようになってうれしい。とテレビでおっしゃってました。

 私も、いのかしら公園からヤマネコが脱走して、多摩川上水べりの雑木林に定着して殖えまくってくれたらいいなと思っています。

 この蝶の分布拡大が、温暖化のせいなのか否かについては懐疑的な考えもあり、園芸ブームで、ビオラの流通が増えたせいだという説もあります。

 病院前のビオラもそろそろ弱ってきて、処分する時期が近付いています。

 なので、ツマグロヒョウモンのお母さんが、いま卵を産んでも子供の成長に間に合わないんです。気の毒ですが、余所で卵を産めるように、散水して追い払いました。

 残り時間に敏感な昭和世代からのささやかな配慮です。

 ちなみに、この蝶の幼虫は、けっこう大きくて、まるで毒毛虫のようなトゲトゲに覆われ(毛ではなく皮膚の突起ですが、いかにも刺されそうな立派なトゲトゲにみえます)、虫好きにはたまらないビビッドな深紅と漆黒の体色をしています。

 駐車場でカナちゃんたちを車に乗せるとき、足元を這っていることがよくあるのですが、絶対に教えないようにしています。 見せたら気絶すると思うので。
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.05.01

●野菜プラント●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 5月に入りましたねぇ。五月晴れでございます。

 今年も自宅のヴェランダで野菜の水耕栽培を開始しました。かれこれ10年目くらいになりますかね。

 毎年、少しずつ改良してきているのですが、今年の目玉は、支柱の接続を市販のプラスチックジョイントから、輪ゴムに変えたこと。

 強風の日も、適度に衝撃を受け流して、大破を免れると期待しています。繁茂しきったトマトの大株ごと支柱がプランターから外れると、修復が大変なんです。

 今年はさらに、昨年泣かされたモザイク病の被害に対抗すべく、アブラムシよけのキンキラ・テープを張り巡らします。それから、プランターごとにバジルを導入します。いわゆるコンパニオンプラントってやつです。バジルを植えておくと、匂いでアブラムシが来ないのだそうです。

 トマトと一緒に収穫して、カプレーゼに使えるので一石二鳥です。

 そして、一株一株を強くして病気に対する抵抗性をつけるために、植えこむ数を減らします。これは娘と毎週楽しみにみている、鉄腕ダッシュの稲づくりを参考にしました。

 鉄腕ダッシュといえば・・先週はさっそく違う番組が放送されていましたね。残念です。休みもなく娯楽もない毎日の中で、録画したテレビを娘と鑑賞するのがささやかな楽しみなのに・・・。

 娘いわく、嵐に入れ替えてもいいから番組をつづけてほしいとのこと。あはは。TOKIOをみてたわけじゃないのね。

 私としては、いっそ ナスD か ロビンソンさん にお願いしたいですね。

 で・・我が家の栽培装置の話。プランターの数は全部で12基。足の踏み場もありません。ヴェランダ一面がなんだか野菜工場のようになっております。

 写真は、自宅の駐車場に落ちていた、猫の首輪。

 ハチ森下 という名前の猫のようです。

 ヒロ・ヤマガタみたいでかっこいい名前ですが、迷子札の首輪をおとしちゃったら、単なる野良猫と間違われてしまいますね。

 結論! 首輪はいいやつを買おう!コアさんで。

 ハチ森下の無事を祈ります。
 
  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.04.29

●ゴールデンウィーク●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 皆様、連休はいかがお過ごしでしょうか。今年は天気がよくて絶好の行楽日和が続いてますね。

 連休の営業のお問合せが多いので、ブログでもお知らせしておきます。

 連休中も通常通りの診療を行っています。

 カレンダーの数字の赤い日は、朝10時始まりの夕方6時終わりですが、それ以外は、朝9時30分~夜7時の時間帯で診療しています。

 火曜日は休診です。

 昨日、初カビバラの症例がきました。ムーミンという名前がナイスなカピバラですが、子供なのに10㎏という巨大さ。大人になると大型犬よか大きくなりますからね。 なのにネズミ。 ありえません。

 そもそもカピバラがペット市場に出回ってること自体がありえませんが・・・・

 写真は、待合室でお待ちの3件の飼い主さん(一人場外)。それぞれ、キャバリア×2 パグ×2 柴犬×2をお連れでした。不思議な光景だったので思わず記念撮影。


  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.04.20

●園芸農家実習●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 病院前のビオラが満開です。ジブリ観光の外国人の皆様にも好評です。ぜひ観にいらしてください。

 このビオラ、晩秋から冬、春にかけて、絶えることなく花を咲かせ続けてくれるありがたい花で、ウチのようなズボラ花壇にはぴったりの存在です。

 しかし、暑さには弱く、5月の連休明けごろには、いっせいに萎れてダメになってしまいます。

 昨年は、ビオラがダメになったときにモタモタしていたせいで、夏の花の苗が売り切れてしまい、入れ替えのタイミングを逸してしまいました。

 ながいことカラの植木鉢を積み上げて放置していたら、園芸用品屋さんと勘違いされて、植木鉢を売ってくれと言われる始末。

 今季は、ビオラのアブラムシ対策と水切れ対策をしっかりしつつ、定期的に肥料をあげたり、切り戻しをして株を若返らせて、すこしでも長持ちするように努力しています。

 一方で、夏の花の苗を早めに購入しておいて、自宅で摘心などの処理を行って、植え替え後に一気に大きく育つように準備をしています。

 夏の花は、ビオラとおなじく手間いらずで長期間咲き続ける、ペチュニア系のナス科の花々です。ここ数日の暑さで、一気に成長していくことでしょう。

 そうこうしているうちに、自宅のヴェランダの恒例行事である、水耕栽培用の苗が届き始めました。

 ハイポニカ農法というのをやっているので、収穫量が多く、夏の間中、毎日ミニトマトがボールに2杯も収穫できます。

 現在、水耕栽培をするスペースで花を養生しているので、近いうちに整理しなければなりません。

 いま、休日を利用して、お役所にお勤めの獣医さんが研修がてら手伝いに来てくれているのですが、来るなり花の手入れをやらされて、まるで園芸農家研修のようになっております。


  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.04.11

●無茶振り●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 エイプリルフールで何か盛り上げようと、思っちゃいるんだけど、気が付くと4月1日をのがしてしまうここ数年。

 今年は、迷子捜索の記事を大真面目に書いて、舌の根も乾かない翌日に、エイプリルフールのふざけた記事を書くのは不謹慎だろうという判断で、かれこれ10日ほど経過いたしました。

 で いつもの調子に戻らせていただきます。

 写真は、犬用のおやつ。丁寧に薄くスライスした広島産ハーブ鶏を乾燥加工のプロがじっくり乾燥した製品だそうです。

 ペットフードについて、意見を求められることはよくあります。主として、与えて大丈夫か、パッケージの成分表をみてくれという話。

 今回の飼い主さんのご依頼は・・・

 「塩が含まれてないか、先生が食べて確認してほしい」

 え? 私が食べて確認すんの???

 ちょっと初体験な依頼。

 いちおう人が食べても大丈夫だというのがウリな製品ということでしたので。

 食べましたとも。

 で・・結論。 このササミジャーキーは、製造過程でタンパク質がアミノ酸に分解され、さらに肉自体もフワフワな仕上がりになっているため、口の中に旨味成分が広がりやすくなっているようです。

 つまり、「出汁を多めにとったら、味噌汁は塩分ひかえめでも大丈夫」っていうのと同じ現象がおきているようです。

 お母さんが味見したときに塩が入ってると感じたのはそのせいだと思われました。

 いやぁ 長い事この仕事してますが、自主的にフードの試食をすることはあっても、飼い主さんから頼まれて食べたのは初めてです。

 なお・・・このやりとり、犬あるいは猫までは対応しないでもありませんが、ヘビの場合には、対応しかねますのであしからず。


  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2018.03.30

●いっしょに探してください●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 迷子の捜索願のお手紙が届きましたので、ご紹介させていただきます。

 深刻な持病をかかえている子の様ですので、一日も早く飼い主さんのもとに帰れるように、ご協力をお願いいたします。

 武蔵境から12月31日にいなくなりました。

 名前:すもも
 犬種:シバ系のミックス
 性別:避妊手術済の女の子
 年齢:6歳
 体重:7.5kg
 
 マイクロチップID:392143000265046

 慢性膵炎・膵外分泌不全の治療中

 外貌は写真のとおりです。

 いただいた情報だと、失踪からすでに3ヶ月経過しておりますので、どなたかに保護されているのだと思います。

 飼い主さんは、近隣の動物病院に、迷子情報を配布なさっていますので、保護された方が動物病院に通院したら、見つかるようになっています。

 ということは、この子はまだ動物病院に連れていかれていないようです。

 慢性膵炎は、毎日の投薬が必要で、悪化すると命にかかわる事態になりますので、心配です。

 マイクロチップまで入れてもらってるのに、どうして見つからないのか。

 善意が善意として結果を出せるように、動物を保護した場合は、正しい対応をしなければなりません。

 迷子の動物を保護したら、保護地最寄りの警察署の会計課に行き、逸失物として届け出なくてはいけません。

 これが一番最初にすべきことです。ツイッターとかフェイスブックに情報をアップするよりも大事なことです。

 その上で、一時預かりのボランティアを引き受けて、飼い主さんが現れるのを待つのです。
 
 同時に、都の動物愛護相談センターにも連絡をいれ、情報を共有してもらいます。 いわゆる保健所と呼ばれていたセクションであり、かつては殺処分が行われていたところです。

 
「保健所」 では、いちはやくマイクロチップを読み取りますので、いっそ「保健所」につれていかれたほうが早く飼い主さんのところにもどれるという皮肉な話になりかねません。

 どこにも届け出ないで預かっていては、飼い主さんと出会える可能性はゼロになってしまいます。

 以前、勤めていた病院で、犬を拾ってきた人に、「そのままもらっちゃいなよ 届け出なんてしてもどうせ飼い主は出てこない捨て犬だよ」というアドバイスがなされ、その場で避妊手術されてしまったキャバリアを見たことがあります。

 まぁ 動物の専門家である獣医にそう言われたら、そんなもんかなと思いますよね。

 ただし、この犬は、千葉で拾って、車で多摩地域に連れ帰った犬なので、この犬は一生飼い主さんに巡り合えないことになってしまいます。

 捨て犬だと決めつけるのは、届け出から3ヶ月たってなお飼い主が現れなかった時点でも遅くはありません。

 あとでこっそり、拾った場所の最寄りの警察署に逸失物の届け出だけはしておくように耳打ちしましたが、その後どうなったかはわかりません。

 このキャバリアの事例は、ものすごく厳密に言ったら逸失物横領と器物損壊と犯罪教唆ってことになるんだと思いますが、当人たちは、すっかり美談に盛り上がってました。

 泣きながら探している飼い主さんの身にもなれと思いますが、意外とこういう闇から闇のケース(しかも善意)があるので、正しい対処方法を知っておくことが大事です。

 みなさんの最寄りに、届け出が重要だとは知らずにスモモちゃんをあずかってる方がいたら、ぜひご一報ください。

 知らずに保護していた事を説明すれば、もちろん逸失物横領なんかにはなりませんし、普通に感謝されますのでご安心を。


  以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。