2017.06.05

●VS.ハクビシン●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 先日、幼稚園の同級生のT君から、30数年ぶりに電話をもらいました。

 実家に里がえりしている間、犬を預かっていてほしいという依頼なのですが、その犬というのが25kgの仔犬だそうで、どんな子なのか今から楽しみです。

 T君とは、幼稚園のお弁当の時間に席がとなりで、なぜか、いつもオニギリの海苔の話題で盛り上がってました。 

 T君の海苔は、ニコニコ海苔といって、何か特別な海苔らしく、お弁当をあけるたびに「わーい。今日もニコニコ海苔だ!」って歓声をあげるんです。

 しかも、白いオニギリと袋に入った海苔を別々にもってきて、おべんとうの時間に巻くという、私のオニギリ感を覆す斬新な食べ方をするんです。バイオリンを弾ける子はオニギリからして違うと、民度の格差を痛感させられました。

 彼は、ニコニコ海苔を堪能しながら、必ず「君のは何海苔?」って聞いてくるんですが、私はいつも返答に困りました。

 わからないや・・・・ うちのは何海苔なんだろう?

 少なくとも、楽しいもんでも素敵なもんでもなさそうな海苔だと思います。お母さんは海苔について何にも言ってなかったので。

 家に帰って、「うちのは何海苔? ボクもTくんと同じニコニコ海苔がいい。お弁当の時間に巻きたいから、海苔は別にもっていきたい」とリクエストしてみたところ、ちょっとキレ気味に全却下だったので、それ以上の追求はあきらめました。 

 よそのお弁当がうらやましい系の発言は、今思えば、超のつくほどの料理下手だった母親の心の琴線をぶっちぎる行為だったのかもしれません。

 そんなこんなで、いずみ幼稚園タケB組の石橋とおる君は ニコニコ海苔がうらやましくてしかたありませんでした。 

 結局、そのニコニコ海苔ってのが私の口に入ることはありませんでした。途中、コンビニのオニギリを初めて食べたときに「おおお!これはT君の食べ方と一緒ではないか!」って出来事があったくらいで、ニコニコ海苔と出会うことはなく、店頭で売られている姿もみかけませんでした。

 時は流れ・・・・「白飯には海苔と納豆が必須」 「あまい物よりツマミ系が好き」という嗜好性をもつ娘が産まれ、我が家の食卓には必ず焼き海苔と味付け海苔がダブルで常備されるようになりました。

 そんなある日、娘が食べている海苔のパッケージをみてお父さんは思わず絶叫しました!

「おおおおおおおおおお これは 幻のニコニコ海苔ではないか!!。君はこんなすごい海苔を食べていたのか!! これはただの海苔じゃないんだぞ なんたってニコニコ海苔だかんな。理由はかわらんがすごい海苔なんだ。食べるとバイオリンが弾けるようになるらしいぞ。 しらんけど。」

 ちょっと関西人ふうの自信のない語尾でしたが、まさかのニコニコ海苔との再会に大興奮する私の姿がおもしろかったのか、娘もなんか楽しそうでした。

 45年の時を経て口にした念願のニコニコ海苔は、残念ながら、いたってふつうの海苔でした。たぶんバイオリンも弾けるようになってないと思います。でも、海苔一枚でこれだけ感動できたのでT君には感謝しています。

 そうそう!!数十年ぶりの再会とえいば・・(おいおい。まだ続くのか?)

 大泥棒ホッツェンプロッツっていう児童文学作品をご存知でしょうか。なんか3巻くらい出ていて、世界的ロングセラーなんだそうです。

(でも 長いからやっぱこのへんで止め! 続く!!)

 写真は、庭のビワの木。昨年はハクビシンによって、収穫目前で食べつくされましたので、今年こそは人間様の腹におさめようと思います(昨年の今頃のブログ記事を参照のこと)。 

 今日も長くてごめんなさいね。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.06.01

●VS.ピザまん●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 6月に入りました。ジメジメと暑い日々の到来です。

 動物の健康面では、熱中症や皮膚炎、外耳炎などに注意が必要な季節です。

 一方、飼い主の皆さまは、動物を触ったあとの手洗いを徹底して、食中毒などの予防に留意していただきたいと思います。

 犬では、拾い食いのあとの下痢嘔吐が問題となる季節です。落ちている食品がすでに腐っている可能性が高いからです。

 食品が落ちているといえば・・・。

 バス停とコンビニの中間地点にあるせいか、当院の前には、度々、気の毒な落とし物がみられます。

 一口だけ食べた跡のあるオニギリや中華まんやファミチキ。棒やコーンから落下したアイスの塊。パックのまま落下して中身がぶちまけられた焼きそばなどなど。

 いずれも、不要になって捨てられたものではなく、一口しか食べてないのに地面に落ちちゃった子たち。

 「食べたかったのに・・・」という持ち主の無念が漂う、残念な落とし物たちです。(一口かじった跡のあるオニギリなんか、笑っちゃうくらい哀愁がただよってますからね。こんど写真とれたらのせますね)

 落とし主は、通勤通学という戦場で、あわただしくもジャンクな食事を強いられている皆さんだと思います。

 たぶん、いいかげん飽きてしまって、今では見るのも嫌になっているであろうコンビニのメニューの中から、それでもなにか食べなきゃいけないと、必死に今朝の体調と相談して選んだ一品なんでしょう。

 無理して食べなくてもいんじゃね?って考えもよぎりますが、毎日がハードで、食べないと一日もたないかもしれないって強迫観念にとらわれている人も多いと思います。

 おそらくは「あ!ヤベ!バスきちゃった!!」って加速した瞬間に落っことしちゃうんでしょうね。

 「ああああ~ 食べたかったのにぃ~。でも バスに乗らなきゃ!!」 って 後ろ髪を引かれながらバスに走り込む姿が目に浮かびます。

 その心中に「ああ~ 拾ってかたづけなきゃ! でもバスが来ちゃったし・・・ひえぇええ ごめんなさいぃぃぃ」という葛藤があったのか否かは知る由もありませんが、今日も私は、無念のジャンクフードをかたずけています。 来院したワンちゃんが拾い食いでもしたらおおごとですからね。特に串のついてるやつとか。

 昨日の落とし物は ピザまん でした。

 もうね。こいつはほんとにタチが悪い。なんたって、ファミマのキャッチコピーが「チーズたっぷり」ですからね。

 ただでさえ粘稠性の高い中華まんの皮(花巻)に、大量のチーズがあわさって、歩道のブロックの目地に練り込むように踏んでありましてね(取り落とすのはしょうがないとしても、踏むなよな・・)。

 まず、犬のうんちを拾う要領で、ビニール袋でつかんでみましたが、べったり張り付いて表面の一部しか回収できません。

 続いて、ヘラでこそぎ取ろうとするものの、ヘラにもこびりついて収拾がつかなくなり・・・。

 効率よく回収することはあきらめて、根気よく剥がしていくこと小一時間。 この段階で私の心の叫びは、「うんがあああああああああああああああああああ」って感じ?声に出すと道行く人に変な目でみられますからね。あくまでも心の叫びです。

 最後は、ハムスターを飼うときに使う床敷のおがくずをまぶしてゴシゴシこすり、塵取りで回収すること数回。

 ようやく表面的な汚れは除去できましたが、タイルにはしっかりとチーズと花巻がしみ込んでいます。

 これだと、通りすがりのワンちゃんたち(主としてうちのバカボンたち)が舐めるに決まっています。

 現在、オレンジエックスの原液をかけて、脂を中和する作戦を展開中です。このあと高圧洗浄機で吹き飛ばす予定ですが、当面はワンちゃんたちが舐めないように、皆さまお気を付けください。

 昭和の子供たちは、食べながら歩いたら行儀が悪いって叱られたもんですが、いまそんな事をいったら逆にウルサイって嫌われそうな雰囲気ですよね。

 でもね・・恰好悪いって観点から言うと、あきらかに歩きながら食べるってのは美しくない行為なんじゃないかなぁ~と おっさんは思うのであります。

 昭和の男子は、天地真理や松田聖子はウ●コをしないと信じていたもんです。

 奥ゆかしさ って。悪くない感性だと思いますけどね。

 あ! そうだ。 いま思い出しましたが、ファミマってイート・インがあるじゃありませんか。 なんで座って食べていかないんでしょうかね? 

 きっとあれですね。BGMがよくないんだと思います。吉本芸人のオリジナル番組が、落ち着かない雰囲気を醸し出してるんだと思います。

 夜はジャズとか、朝はバロック音楽なんかをかけてくれたら、イートイン率があがるに違いありません。

 次回は、大泥棒ホッツェンプロッツとニコニコ海苔のお話。  なんのこっちゃ・・。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.05.22

●ごぶさた!●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 ブログの更新が滞り、しまいには生存確認のお問い合わせをいただくに至り、あわてて更新でございます。

 いやぁ 5月になりましたねぇ。 ゴールデンウィークは楽しくお過ごしでしたか? 

 私はといいますと、いつもの持ち場にて奮闘しているうちに、あっという間に今日に至ってしまいました。もう完全にpassed out!って感じです。

 ゴールデンといえば。うちのエイちゃんは無事に子宮蓄膿症を乗り越えました。沢山の方から平癒のエールをいただきましたので、この場を借りまして、無事をご報告させていただくと共に、心より御礼申し上げます。このまま無事に秋まで過ごして、子犬が産まれることを夢見ております。

 西表島から届いた写真が、とってもめでたくて幸せな感じだったのでのせときます。


 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.04.17

●天気予報●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 しばらく更新しないうちに、アジアは核戦争の危機を迎え、真央ちゃんは引退し、桜も終わり、待合室の水槽は全滅し、大魔王は「王族と食事してくるから!」とメールをよこしたきりサウジ国境で消息を絶ちました。ひきこもりの私は時の流れについていけません。

 目まぐるしくも単調なこの日常の中で、楽しみって言ったら手術の無い日ののんびりした昼飯くらいでしょうか。

 そんなわけで、昨日、マユ・カナをつれて自宅近くのネパール料理屋に行ってきました。はす向かいの席でタバコを吸っているデブを殴ろうかと思案しているとき、カナちゃんから聞いた話なんですが、アイフォンの天気予報は外れるらしいですよ。 私は携帯を持たないので知りませんでしたが 皆さん ご存知でした?

 私はてっきり、天気予報というものは、どこのテレビでもラジオでも検索サイトでも、気象庁の予報をそのまま引用して情報提供しているんだとばかり思ってました。

 アイフォンおそるべし。天気予報にまで独自性を貫ていますね。しかも外れが多いらしい。

 昨日の、カナちゃんのアイフォンの天気予報だと本日17日の天気は雨。

 おおおお!すごい。 今日は晴れです。さすがアイフォンの天気予報。ちゃんと外れたじゃありませんか!

・・・・ ってホンマかいな。なんせ情報の提供者がカナちゃんですからね。

 「カナちゃんちのテレビのサイズって何インチ?」って聞いたら、即答で「これくらいです!」って手を広げますしね(一瞬でもいいから何インチか考えた後にジェスチャーにうつってくれ)。おねーちゃんの写真を見せるっていって、犬の写真出してきますし。

 この都市伝説に関してはは、マドモアゼル・フランソワーズに真偽のほどを確認する必要がありますね。

 って・・・書いてる間に空が曇ってきましたよ。

 なんか 雨の匂いもしてますね。

 雷が死ぬほど怖いエーちゃんが何かを察知してヒョエヒョエいいはじめてます。

 雨・・・・ふるのかな。
 
 どっちなんだアイフォン!きっちりオチをつけてくれ。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.04.10

●インド人もびっくり●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 桜が満開ですね。このあと天候が悪化しますので、夜桜見物の皆さまは、くれぐれも防寒対策をおこたりなく!

 花見の時って、案外、ビールは美味しくないですよね。寒いから。

 今の時期、お外で飲むなら温燗がいいかな。熱燗じゃなくて温燗。手にあたたかい朱塗りの杯で純米酒をいただく。肴は冷えても悔いのないクリームチーズあたりがよろしいかと。

 火気厳禁の公園だと、お燗をつけられませんね。ポットにお湯をもっていって、焼酎のお湯割ってのもありかも。球磨焼酎に砂糖入れてお湯割り。肴はあえての鶏卵素麺。糖尿病の人にはよろしくないメニュー。

 まぁ なんにしろ、どんなに美味しいお酒があったとしても、花見客でごった返した公園の喧騒の中で飲むのはカンベンですけどね。 手酌で一人酒。これに限ります。

 写真は、インターナショナルスクールの教室で飼われているイエアメガエル。 感染症にやられて腿が腫れまくっております。

 生徒が「つかまえてきた」と申告したため、ヒキガエルとして飼育されておりました。

 イエアメガエルはオセアニアのツリーフロッグ(樹上性のカエル)なので、泥の地べたで飼ったら、そりゃ足も腐りますわな。かわいそうに。本来、鮮やかな緑色なのに、まっ茶色になってるじゃないですか。

 それにしても恐るべしインターナショナルスクール。生徒が拾ってくるカエルまでインターナショナル。オセアニア原産のカエルが三鷹に落ちてるって・・。なんで?

 どうでもいいけど、この学校、次から次へと変わった生き物つれてきますね。校長はインド人で理科担当はギリシャ人だそうですよ。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.03.29

●パステル調で頑張ってます●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 気が付けば2週間も更新しておりませんでした。

 春の予防シーズンの到来です。4月に入ると、一気に忙しくなり、なにかと至らない点も出てくるとは思いますが、全力で対応していきますので、なにとぞよろしくお願いします。

 何か、対応におかしな点がありましたら、遠慮なく(ただし優しい感じで)ご指摘ください。院長がボケてる可能性がありますので。その都度、お詫びして訂正いたします。

 この春からマユ★カナコンビが頑張ってくれます。院長がヘロヘロでも、院内の雰囲気は明るく可愛い感じになることでしょう。

 明るく可愛いといえば・・・・、最近、仕事着をいくつか新調しました。

 当院の仕事着のスタイルは、スクラブスーツといって、いわゆる白衣にネクタイではありません。

 白衣は動物が怖がる というのが最大の理由です。

 そのほか、遊び心のない職場は嫌だ! という私の希望もあります。

 たいていの場合、飼い主さんは悲しい想いや、つらい出来事をかかえて動物病院にこられますからね。私たちは、少しでも明るく楽しい雰囲気で寄り添いたいと思うわけです。

 もとはと言えば、これはアメリカの獣医や看護師のマネっこです。

 めったな事ではアメリカにかぶれない むしろ反米な私が、アメリカで「いいね!」と感じた数少ない出来事の一つが、動物医療の現場で働く人たちが皆、動物柄のプリントのスクラブスーツを着て仕事をしている姿でした。

 日常的にも「お! それいいな。どこで買った」「このまえのヨーロッパの学会の時に売ってたんだ。うらやましいだろう」「ゆずれ!」「やなこったい」ってな会話が交わされていて、それぞれにデザインにこだわっているようでした。

 野生動物の獣医は野生動物のモチーフ。犬好きはひたすら犬。パンダが大好きな獣医はパンダ柄をあつめてました。

 残念なことに、日本では、柄もののスクラブは手に入りにくく、海外から取り寄せなければなりません。なので、一度買うと、ボロボロになるまで着古すことになります。

 最近、どのスクラブも、衣服としての臨界点を超え始めたので、重い腰を上げて新しいのを取り寄せました。

 いかんせん、今回は自分で柄を選べなかったので、「おっさんが着るにはどうなんだろう」というくらい可愛いのばかり送られてきました。

 マユ★カナが着るぶんには可愛いけど、53歳のおっさんが着るのは許せない感じの かわゆいスクラブを着て、春から仕事をしますが、新患の飼い主さんには変な目でみられますかね。

 小学生が「なんでそんな服着てるんですか?」って聞いてくるでしょうかね。

「眼鏡の鼻当てが折れているよりマシ」ということで、暖かい目で見守ってやってください。(昨年12月9日のブログ記事参照のこと)

 写真は、修復中の水槽。まだ水すら入ってませんが、ろ材の全交換まで完了。写真の段階までくるのに、ほんとに大変でした。なんせカラの水槽でも20kgの重さがありますからね。

 本日の段階では、まだ水質が安定しておらず、薬浴中の魚はもどせませんが、ようやく水草を移植するところまできました。もう一息だ!がんばれ俺。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.03.15

●金魚★すくい●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 縁日が多い地域に住んでいるせいで、娘が年に何回も金魚をすくってきやがります。縁日といったら金魚すくいしか頭にないらしく、毎回、満面の笑みで金魚を連れて帰ってきやがります。

 娘が金魚すくいを楽しむと 私はそのあと金魚救いに追われます。

 持ち帰った金魚がバタバタ死なないように。前からいる金魚(これをキャリーオーバー君たちと呼んでいます)に病気がうつらないように、治療をしないといけないのです。

 金魚すくい当日の数日前から、塩水浴水槽とメチレンブルーを準備しておき、すくってきた金魚をいれてしばらくそこで飼育します。

 検疫や治療がおわると、生存者を飼育水槽に移します。

 飼育水槽には、エーハイムの外部フィルターと底面フィルターが装備され、水質管理もばっちり。ヒーターとサーモで温度も管理されています。

 それでも、縁日の金魚ってやつは死ぬときゃ死ぬので、庭木の成長に一役買いつつ、庭は金魚の地縛霊でいっぱいです。

 まったく、縁日が来るたんびに我が家は金魚ウォーズですよ。誰に似たんだか、親の顔がみたいですね。

 はいっ! どーぞ!
 ってなわけで、私も子供の頃、縁日に行くと、必ず金魚すくいをしました。それはもうバカほどすくってくるので、親に嫌がられてました。

 過去最高に楽しかった金魚すくいは、客寄せのためにウナギのつかみどりとセットになっている画期的なものでした。

 「このでかいウナギを捕獲することは、子供には無理だろう」というテキ屋さんの目論見に反して、プラ船に入っているウナギを根こそぎ全部さらって、金魚すくい業界の新しいビジネスモデルを崩壊させ、意気揚々と家に帰りました。

 当然、私はこの6匹のウナギを飼育するつもりだったわけですが、運の悪いことにちょうどウチの家族の頭数と合致してしまったために、何を勘違いされたのか、当時、家の全ての実権を握っていた祖母の鶴の一声で、食卓行きという判決が下されてしまいました。

 うそでしょ?? どうやってウナギを飼おうかワクワクしていた私にとっては、悲劇以外の何物でもありません。

 生で食えるもんなら食ってみやがれという私の一縷の望みも、神がかり的に器用な父親のせいで見事に打ち砕かれました。

 百科事典片手に、余計な仕事を増やした息子に対する呪いの言葉をつぶやきつつ、「はじめての蒲焼」を難なくクリアしやがりましてね。文句なら、すくってきた俺じゃなくて、食うと決めたばーさんに言ってくれと。大切なペットを食われるハメになった被害者は俺だぞと。怒りに燃えながら食べたウナギの味は・・・ 悪くなかったです。そういや、ペットを食わされるのって これで2度目じゃねーか!チクショ~(涙)。

 終戦直後の食糧難を経験した人ってのは、飢餓に対するトラウマがあるもんだから、食材という肩書をもったペットを前にして、食べる以外の選択肢は存在しなかったみたいです。困った人です。

 そういえば、祖母の庭には、食べられる植物が沢山植えられていて、毎年、梅の木から山ほどウメを収穫しては、大量に梅干しを漬けてましたね。

 縁側にずらりと並んだザルに干された梅を眺めては、「これで何があっても大丈夫だ」とひとりごつ祖母を見るたび、幼心に「人類滅亡の日がやってくる。しかも梅干ししか食べるものがない」という恐怖を感じたものでした。

 いまでも大きなザルを見るたびに口の中がすっぱくなるのは、一種のトラウマなんだと思います。

 毎年、食べきれない量の梅干しを漬けやがるので、生家には、梅干しのキャリーオーバー君が累積し、昭和初期のロットなんかは、周りに塩が結晶した乾燥梅干しになってましたっけ。

 あの梅干したちは 最後どうなったんだろう・・。。(梅干しの向こう側 を実際に見てみたい人は、井の頭通り沿いにある「ありてい」という梅干し専門店を覗いてみてください。化石のような梅干しが展示してあります)

 写真は、待合室の水槽で病気が発生してしまったために、治療をしているの図。0.5%の塩分濃度に調節するにしても、水が250リットル近くあるので、投入する塩の量も1kgを超えます。まるで小魚の佃煮をつくってます的な画となりました。巨大水槽のリセットは、ちょっとした肉体労働となります。4月までに終わるのだろうか・・。

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.03.13

●祝・合格●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 先日、獣医師国家試験の合格発表があり、学生さんたちから、無事合格したとのメールが来ました。

 添付されてきた写真を見る限りでは、ただいま絶好調で、我が世の春を謳歌していらっしゃる模様。よかったよかった。おめでとう。いっぱい楽しんでください。

 遠い異国の旅先から送ってくれた写真は・・なんでしょう・・・・・・??

 雪道を走る、風呂に入ってない犬の肛門の写真?

 あ・・フィンランドにオーロラを観に行ったのね。おしゃれですこと。

 なになに・・・オーロラは観れなかった。

 やっぱ風呂に入ってない犬の肛門を眺めにいっただけじゃないですか。わざわざ フィンランドまで。

 風呂に入ってない犬の肛門だけだったら三鷹でも見れますけどね。

 あ! 犬ゾリ体験ツアーね。

 それはそれは。楽しかったですね。

 手術野の逆剃りだったら三鷹でも体験できますけどね。

 ええ。 ただうらやましいから負け惜しみ言ってるだけですけど それが何か?

 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.03.12

●声の大きい者が勝つ?●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 儚く甘い香りを漂わせていた梅の木の、奥ゆかしい自己主張を瞬殺で覆い隠した犯人がこの方。ご存知、沈丁花でございます。

 Jマートの園芸売り場で、完全に忘れさられてカピカピに干からびていた20cmくらいの株を救出してきたんですが、今では直径1mくらいのこんもりとした立派な灌木に育っています。

 毎年、この季節になると沢山の花を咲かせてくれて、庭は沈丁花の香り一色になります。地味に頑張ってくれていた梅の木には気の毒ですが。

 とくに、真夜中が最高です。真っ暗でほとんど何も見えない庭に出るとき、沈丁花の香りがフワっと鮮明に漂ってくると、寒さの中を外に出ていく苦痛が和らぎ、背中を押してもらった気になります。

 我が家には、これ以外に、根腐れで死にかけていたのを植木屋さんに治療してもらって息をふきかえしたキンモクセイがあって、春秋の香りの双璧となっています。

 あと、これでクチナシの木があったら、夏にもいい香りがして最高なんですけどね。さすがにスペースがありません。

 指輪が回るほど痩せてやつれるまで仕事したら、クチナシも植えられる土地が買えるかな・・・・


 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。
2017.03.08

●春よ来い●

本日もお立ち寄りありがとうございます。

 庭で梅の木が美しく香っております。

 私が越してくる前のオーナーの庭で、めちゃくちゃ虐げられて、枯れかけていたのを、現在の位置に移植して、いろいろ手をかけて、なんとか元気にしました。この10年ですっかり立派に育って、毎春、華憐な姿と香りを楽しませてくれています。

 ちょっと控えめな、儚く甘い香りが素敵なんですが、うちの子は、日当たりの関係上、ちょっと遅めの開花がアダとなってます。

 本来なら梅が終わった後から咲いてくるはずの花においつかれてしまうのです。

 まだまだ花盛りなのに、ここ数日で強力なライバルが出現して、すっかり影が薄くなってしまいました。

 淡く儚いからこそ素敵だった梅の香りも、ライバルが放つ強い芳香に、すっかりかき消され、わざわざ見上げないとそこに梅の花が咲いていることすら忘れてしまいそうです。

 可哀想なので・・

 抜けるような青空と気持ちよさそうな白い雲を背景に、記念撮影をしておきましょうかね。
                      つづく


 以上。三鷹・吉祥寺のペットドクター いのかしら公園動物病院の石橋でした。